韓国にて植物工場の研究開発が加速。日本と異なり84%がリーフレタスとして消費

 韓国の農業技術の研究開発を行うGARES(Gyeonggido Agricultural Research & Extension Services)では、完全人工光型植物工場システムによる研究施設を建設した。蛍光灯やLEDなど、様々な光源ランプを採用した比較試験も可能で、主に葉野菜の生産を行っている、という。

韓国にて植物工場の研究開発が加速。日本と異なり84%がリーフレタスとして消費

韓国のレタス市場について

 レタスは6~7世紀に韓国国内へ伝わり、韓国の食文化には必須のものとなっている。特に、野菜や肉を一緒に米を調理するssam(サム)では欠かせない食材の一つであり、1年中消費されている。

2004年の統計では、8,088haの農地にて約241,323トンのレタスが生産され、今でも生産量・消費量ともに伸び続けており、同時に海外への輸入についても、政府としても力を入れている。

韓国で生産されるレタスの84%がリーフレタスであり、次に15%がクリスプヘッド型(玉レタス)、1%がロメインやその他の種類のレタスである。

レタスの栽培については近年、様々な研究が行われているものの、現状では組織培養や生理学といった分野がメインであり、育苗や生産性・品種を高める栽培技術に関する研究は発展途上といえる。

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 例えば、最近のレタスに関する研究論文398本を対象に分類した結果、組織培養や生理学は62.9%であるのに対して、育苗や種の品種改良といった分野は5.2%、細菌分野の研究が11.7%、収穫後に関するもの10.3%、その他・経営管理についてが5.2%であった。

植物工場分野では、オランダの技術を導入し、太陽光利用型のパプリカ生産・輸出戦略では、ある程度の成功をおさめている韓国だが、今後は人工光型によるレタス生産においても研究開発を加速させていく計画がある。