ロシアの野菜・穀物大手であるマリノ社が日本式の農業技術<閉鎖・人工光型の植物工場など>を導入する計画

ロシアの野菜・穀物大手であるマリノ社が日本式の農業技術を導入する計画があるという興味深い記事があったので、以下に掲載しておく。

野菜・穀物生産を手がけるロシアの農業大手マリノのセルゲイ・ルペヒン社長はモスクワ市内で日本経済新聞記者と会い、同市近郊に日本農業のノウハウを導入して農産物の生産・出荷を行う「日本村」を設立する構想を明らかにした農産物の生産・輸出などで日本企業との合弁企業を設立することにも強い期待を示した。
 
日本村の設立構想について、ルペヒン社長は「日本農業の技術力をロシアに導入したい」と狙いを強調した。ロシアの農業はソ連時代の集団農場化で技術的に立ち遅れており、近代設備を導入した効率的な農業への脱皮が課題になっている。日本村という受け皿を作ることで、農業分野で日本企業との協力を進める方針だ。
 
日本村の候補地は、モスクワ市が農業関連企業を集積するため設置を予定する「農業団地」を考えている。具体的な協力事業として、ルペヒン社長は(1)発光ダイオード(LED)を利用した農産物の栽培(2)無農薬栽培の技術導入(3)野菜類を梱包する日本製設備の導入(4)全天候型温室を利用した農産物の生産??などを挙げた。
 
ルペヒン社長は日本企業との協力について、日本村での合弁事業などのほか「日本に近接する極東地域などに野菜や穀物を生産する合弁会社を設立したい」と語った。小麦など穀物だけでなく各種の野菜を広大な敷地で生産し、ロシア国内向けに販売するほか、近隣諸国や日本などにも輸出する方針。食品加工の分野での協力にも期待を示した。マリノ社は1999年設立の民間会社で、ジャガイモの生産量は国内1位。モスクワ周辺やリペツク州、トゥーラ州などロシア西部に6万ヘクタールの農地を持つ。ロシアでは今夏、干ばつ被害で穀物生産が大幅に落ち込む見通しだが、マリノは日本の農業技術導入で競争力強化につなげる考えだ。
<日本経済新聞より>

 
太陽光(一部、補光式)または完全人工光LEDの植物工場技術により、無農薬野菜を生産し梱包や加工して国内外に出荷する、という壮大な計画である。中でも日本の技術力を高く評価しているようで、青森県産業技術センター:農林総合研究所では、寒冷地に対応した植物工場を完成させ、様々な実証実験や人材育成など、独自の栽培ノウハウや技術力を高めつつある。ロシアや南極・北極、宇宙や砂漠など、厳しい環境条件下でも、安定して量産できる技術があれば、植物工場分野において日本企業の海外進出もさらに進んでいくだろう。 
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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