西日本高速グループ会社が米やトマトの栽培へ。広島をはじめに山口や岡山へも拡大計画。サービスエリアのトイレ清掃にも活用しているナノバブル水をハウス栽培に利用

西日本高速道路会社のグループ会社が中国地方で相次ぎ農業に参入している。道路の維持管理会社は広島県内でコメ栽培を開始。道路保全業務の会社は独自技術を使ったミニトマト栽培に取り組む。高速道路料金の割引きや無料化が議論されるなか、人材や技術を生かして将来の収入確保に向け多角化に挑む。
 
 
道路設計や維持管理などを手掛ける西日本高速道路エンジニアリング中国(広島市)は今春から、広島県内でコメ栽培に乗り出した。昨年秋、広島県北広島町と、一般法人のまま農地を借り受けられる契約を締結。5月までに休耕田など約9ヘクタールの土地を借り受け、2種類のコメ栽培を始めた
 
 
農機の保管倉庫や職員の事務所などを備えた「北広島農場」も整備。今後はコメや米粉の販売先を開拓するほか、経営効率を高めるため栽培面積の拡大を進める。10年後に70ヘクタールに広げる計画で、山口県や岡山県でも栽培に乗り出す予定だ道路保全業務の西日本高速道路メンテナンス中国(広島市)は極小な泡を含む「ナノバブル水」を使ったハウス栽培実験を開始。サービスエリアのトイレ清掃にも活用しているナノバブル水には植物の成長を促進する作用があるという
 
 
2500万円を投じて北広島町にビニールハウス7棟を設置し、ミニトマトを水耕栽培。昨年実施した試験では普通の水を使った場合に比べてトマトの甘みが増したり、収量が増えるなどの効果があったため、今年度から栽培規模を拡大した。栽培品目の拡大や収穫したトマトを独自ブランドとして育成する計画も構想中で、販路の開拓を進めている。「付加価値が大きい作物を栽培し、採算性を高めていく」(同社)という。
 
 
西日本高速道路会社グループが中国地方で農業に取り組む背景には、社員の年齢構成の変化がある。中国地方を走る中国自動車道の全面開通から30年近く経過し、会社を支えてきた年代が定年に差し掛かっている。「収益の多角化とともに、定年後の再雇用の場を確保する必要が高まったことも参入の要因」(西日本高速道路エンジニアリング中国)という。
<2010/09/15:日本経済新聞より>
 
 

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