パーソルサンクス、農福連携・農場にて熱中症対策「バイタルセンシング」を導入

総合人材サービスのパーソルグループで障害者雇用を手掛けるパーソルサンクス株式会社は、熱中症対策のため、よこすか・みうら岬工房(神奈川県横須賀市)の障害のある社員を対象に、熱によるストレスなどを感知し管理者に自動でアラートする、バイタルセンシングを導入した。

【工房紹介Webページ】https://www.thanks.persol-group.co.jp/workshop/

パーソルサンクス、農福連携・農場にて熱中症対策「バイタルセンシング」を導入パーソルサンクス、農福連携・農場にて熱中症対策「バイタルセンシング」を導入
■導入背景
パーソルサンクスのよこすか・みうら岬工房では、これまで障害者の特性を生かした雇用と、地域の活性化と連動した障害者雇用モデルを創出してきました。

工房では障害者の安全に十分に考慮しながら、苗の定植、農作物の収穫、除草などの外作業を行っており、特に夏場においてはWBGT※1計測による管理業務の策定、労働衛生教育など「熱中症予防」対策に取り組んできました。

一方、同じ作業環境や仕事内容でも、個人の健康状態により熱中症にかかる危険性が変わるため、一人一人の体調をよりこまめにチェックする必要がありました。

そこで、パーソルサンクスは、予測できない作業環境の変化や身体負荷レベルを測定できるバイタルセンシング※2技術が有効と判断し、パルス(心拍数)変化や周囲の湿温度などを計測し、熱ストレスを感知したら管理者に自動でアラートする、バイタルセンシングを導入することを決定しました。


※1WBGT:
暑さ指数の略(Wet-Bulb Globe Temperature、単位:℃)人体と外気との熱のやり取りに着目した指標で、人体の熱の収支に影響の大きい、「湿度」、日射・輻射などの「周辺の熱環境」、「気温」の3つを取り入れた指標

※バイタルセンシング:
人の心拍数や血圧、体温、目の動きといった、生きている証(バイタルサイン)を計測する技術のことで、労働者にウェアラブル端末を与え、これらを計測した結果を分析すること


■熱中症にかかる危険性を事前に察知・対応が可能に
今回導入したバイタルセンシングは、腕時計のようなバンド型で簡単に着用できるものです。また、パルスや熱ストレスレベル、転倒転落を検知しリアルタイムで管理者にアラートすることで、障害特性によって自己表現が難しい社員の場合も熱中症にかかる危険性を事前に察知し対応することが可能となりました。


【バイタルセンシングで事前に危険を察知した事例】
※昨年同時期にトライアル導入した際の事例です。
① 同じ作業環境下で、個人の体調差があったケース
→前日の睡眠不足により、ほかの社員より体調が悪かった人の体調変化を察知し対応

② 作業内容による予想外の環境変化があったケース
→曇り空の天気で普段より涼しいと感じる日だったが、ミカンの樹木に囲まれた環境でミカンの摘果作業をしていた人の場合、風通しが悪かったため、体調が変化したことを察知し対応


■パーソルサンクス株式会社について
< https://www.thanks.persol-group.co.jp/ >
パーソルグループの特例子会社として、1991年12月の設立以来、よこはま夢工房でのクッキー製造・販売をはじめ、スポーツ競技活動と就労の両立を支援するChallenged Athlete Support(障害者アスリート支援制度)を実施するなど、障害者の自立および成長を幅広く支援しています。