英弘精機、携帯型分光放射計を発売。農業・植物工場の施設内でも利用可能

2000年から全天候型分光放射計を開発、製造販売している、英弘精機株式会社(EKO)は、スマートフォンで測定制御やデータ保存を行う仕組みを取り入れた、軽量かつコンパクトな携帯型分光放射計MS-730(以下 MS-730)を開発、発売することを発表した。

英弘精機、携帯型分光放射計を発売。農業・植物工場の施設内でも利用可能
MS-730は、可視域から近赤外域までの波長領域を対象とした分光計測用に開発された分光放射計で、主に地質、植生、海洋、リモートセンシング分野における太陽光や、蛍光灯、LED照明、LEDバックライト、キセノン、ハロゲン、重水素ランプ、水銀ランプおよびメタルハライドランプなどの人工光源の光の強度を、絶対値として波長毎に測定することができます。

光の波長は紫外光、可視光、赤外光に分けられ、波長によってはそれぞれの特性が大きく異なる場合があります。

例えば光子のエネルギーは、その波長に反比例することが知られています。光子の波長が短いほど、人間や動植物の生態組織にダメージを与え、様々な傷害を引き起こしやすくなります。

従って光を利用した技術、製品では各波長ごとの特性、効果の測定は欠かすことが出来ません。


軽量コンパクトなハンドヘルドタイプの分光放射計でありながら、MS-730の計測制御、グラフ表示、データ収集・演算・保存は、Androidスマートフォン上の専用モバイルアプリケーションnijiを使用し無線LAN経由で一元的に操作することが可能なだけでなく、スマートフォンのカメラ機能やGPS機能と連動し、

測定現場の写真や緯度・経度情報を測定データに取り込むユーティリティ機能も充実していることから、農業分野、海洋分野及びグランドトゥルース等のフィールド測定や遠隔操作による分光計測における操作性が大幅に改善されます。


MS-730は、ポリクロメータ方式でグレーティングを回転せずに各波長のスペクトル分布をフォトダイオードアレイを用いた同時測光できる分光放射計で、ポリクロメータで測定された信号は波長とエネルギーに対して校正しないと正しいスペクトルを表示することは出来ません。

MS-730ではNIST(アメリカ国立標準技術研究所)で校正された分光放射照度標準電球によりトレーサブルな校正が行われています。