inahoがRaaSモデルで自動野菜収穫ロボットのサービス提供を開始

 inaho株式会社は、自動野菜収穫ロボットのサービスを開始した。選択収穫野菜における自動野菜収穫ロボットを従量課金型のビジネスモデル(RaaS)で展開するのは国内初(※当社調べ)の取り組みとなる。

inahoがRaaSモデルで自動野菜収穫ロボットのサービス提供を開始

日本の農業が抱える現状と課題

  • 基幹的農業従業者数は2010年の205万人から、2020年には152万人、2030年には100万人と、20年間で半減することが予想されている(農林水産省「農業構造動態調査報告書」)
  • 施設園芸農家数、面積ともに過去15年で約25%減少しているが、1戸当たりの施設面積は規模拡大が進んでいない(農林水産省「農林業センサス」)
  • 農業就業人口及び基幹的農業従事者の平均年齢は約67歳(農林水産省「農業労働力に関する統計」)
  • 農業従事者年齢構成比率における49歳以下の割合は僅か約10%(農林水産省「2017年農業構造動態調査」)



■ロボットの基本情報
サイズ・重量 全長:125cm/全幅:39cm/高さ:55cm/約65kg
稼働時間   最大10時間(バッテリー駆動/家庭用コンセントで充電可能)
収穫時間   12秒/本


■ロボットの特徴
主な動作として、移動、探索、収穫という一連の流れで自動収穫を行います。

【移動】
・畑に白い線を設置するだけで設定したルートを自動走行
・ビニールハウス間の移動や夜間の利用も可能
・ロボットの操作はスマートフォンで簡単に可能

【探索】
・AIを駆使して自動走行しながら作物と枝等を判別
・探索した作物に対して収穫適期かどうかを判別
・収穫対象は出荷基準に合わせてcm単位で設定可能

【収穫】
・作物を傷つけることなくロボットアームで収穫
・収穫した作物はカゴに優しく収納
・カゴがいっぱいになると利用者のスマートフォンに通知


■初期費用&メンテナンス費無料のRaaS(Robot as a Service)
・選択収穫野菜の自動野菜収穫ロボットでは国内初のビジネスモデル※当社調べ
・販売ではなく、市場の取引価格×収穫量の一部を利用料としてinahoへ支払い
・農家は導入費を抑えて利用可能で、故障によるメンテナンス費も不要
・定期的に最新のパーツに交換することで、ロボットの性能が継続的に向上
・ロボット間のネットワークを構築し、さまざまなデータを収集予定
・農家へ生産性向上のアドバイスも実施予定


今後の展望
現在の対応作物はアスパラガスのみですが、今後はトマトやイチゴ、キュウリなど、人の目で見て収穫適期かどうかを判断しなければならない選択収穫野菜に広く対応していきます。

ロボットの生産台数は今年中に数十台、2020年に数百台、2022年には約1万台を目標とし、九州を中心に新たに拠点を開設していきます。

また、農家の高齢化や人手不足は日本に限った課題ではありません。世界の国々でも同様の課題が起きており、私たちはこの世界的な課題に挑戦すべく、2020年にオランダに拠点を開設し、グローバル展開を目指します。