Space Food Xが2050年に向けた長期シナリオ1.0を発表。宇宙での食料生産技術が課題の一つ

 リアルテックファンドが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、株式会社シグマクシスとともに企画・運営を行う「Space Food X」は、2050年に向けたSpace Food Xの長期シナリオ1.0と新たな参画メンバーを発表した。

Space Food Xが2050年に向けた長期シナリオ1.0を発表。宇宙での食料生産技術が課題の一つ
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https://prtimes.jp/a/?f=d36405-20190810-4061.pdf


地球課題解決と惑星移住を目指す長期シナリオ1.0
Space Food Xでは、3月27日の始動以降、私たちが目指すべき未来について議論を重ね、長期シナリオにおけるマイルストーンとして、2030年:SDGs目標達成への貢献、2040年:月居住1,000人、2050年:人類存続の危機※の回避と更なる発展に向けた人類生存拠点(宇宙と地球)の構築/拡大等を設定しました。

今後、長期シナリオの解像度を上げると共に、これらのマイルストーンを達成することで、 Space Food Xがビジョンとして掲げる「サステナブルでWell-beingな人類未来社会の実現」に貢献して参ります。

※ 人類存続の危機:小惑星衝突、気候変動、核戦争、バイオテロによるパンデミック等の人類の存続を脅かす規模のイベント発生


鍵になるのは資源完全循環とQOLの劇的向上
Space Food Xでは、ビジョン実現やマイルストーン達成に向けて「循環」と「QOL (Quality of Life)」を重要な2大テーマとして位置付けています。

水や有機物など食に関連した資源の乏しい宇宙では、地産地消型で効率的な食料生産技術や資源の再利用技術などが重要となります(図2)。

また、閉鎖的な居住空間かつ長期の宇宙生活では、心身の健康や良好な人間関係の構築などが課題となることから、食を通じてQOLを劇的に向上させる技術・知見も重要です。

Space Food Xでは、これら2大テーマの技術や知見を発展させることで、食料の生産効率や資源循環レベルが極めて高く、人々が生きていく喜びや豊かさを実感でき、思いやりや和の心に満ちた社会を宇宙圏で実現すると共に、地球上にも波及させ、マイルストーン達成とビジョン実現を目指します。

Space Food Xが2050年に向けた長期シナリオ1.0を発表。宇宙での食料生産技術が課題の一つ
図2. 食料生産・資源循環技術


▪️活動を加速させる新たな参画メンバー
Space Food Xの活動を加速させるため、研究機関、小売流通、容器メーカー、液体・気体コントロール技術、自動調理ロボット、廃棄物処理技術(バクテリア・昆虫)、養殖技術、遺伝子工学技術(ゲノム編集・遺伝子組換え)、科学教育などの領域から、世界トップクラスの技術や知見を保有した企業、研究者、有識者の方々に新たにご参画頂きました(図5)。今後は海外からの企業や研究者の参画も予定しております。

Space Food Xが2050年に向けた長期シナリオ1.0を発表。宇宙での食料生産技術が課題の一つ
図5. Space Food X 新参画メンバー


Space Food Xについて
Space Food Xは、日本発の優れた技術や食文化を最大限に活用し、宇宙と地球の共通課題である「食」の課題解決を目指す共創プログラムです。

リアルテックファンド、JAXA、シグマクシスが企画運営を行い、多種多様な40以上(2019年8月9日時点)の企業、大学、研究機関等のキーマン、プロフェッショナルが集い、分野横断的、かつ有機的な連携による研究開発や事業創出を促進します。

これにより、巨大成長市場の宇宙食料関連マーケットを早期に創出し、サステナブルでWell-beingな人類未来社会の実現に貢献します。
HP:https://www.spacefood-x.com