UAE、36カ所の有機ファームが新設。植物工場ハイテク農業による生産も加速

(2017年7月28日に記事修正・更新しました)
 UAEでは地産地消・無農薬野菜について、深い知識を持つ消費者が少ないのが現状だが、政府内の環境水資源省や保健省が連携して、無農薬や自然食品の普及に力を入れている。

こうした地道な啓もう活動の結果が2008年頃から現れ、この時期に太陽光利用型植物工場(水耕栽培)による生産者が出現した。そして2011年6月までには、40カ所にて無農薬・オーガニックファーム(露地栽培も含む)が稼働予定となっている。

 UAE農業開発局によると、2010年の上半期で既に13もの農場がオーガニックファームとして登録されており、昨年の同時期と比較すると25%の上昇率である、という。

また、来年の6月までには23の農場が、オーガニックファームとして既にリニューアルを予定しており、今年と来年で36カ所のオーガニック農場が開設されることになる。また、既に運営している農場も含めると、UAE全体では40もの農場が存在することになる。

UAE植物工場のパイオニア「サラタ・ファーム」

 こうしたオーガニックファームの多くが、植物工場までハイテクな施設ではないものの、温室ハウスよる水耕栽培を採用している。UAEにおける植物工場のパイオニア企業である「サラタ・ファーム」では、2008年に設立し、トマト、トウガラシ、ハーブ類といった作物の周年生産に挑戦している。(pic:Dubai Media Incorporatedより)
※ 2017年7月末現在、既に同社は閉鎖されている

UAE、36カ所の有機ファームが新設。植物工場ハイテク農業による生産も加速
同社は、無農薬栽培や環境負荷を軽減した循環型農業を実践する生産者として政府から認可を受け、特別に税金を免除されている企業でもある。国内のスーパーに販売するだけでなく、UAEの家庭へ宅配事業も行っており、レタス商品だと700円/kg、トマトが600円/kg前後で販売している。

この他にも、Nassar Al Refaee Vegetables & Fruits Trading といった野菜・果物の卸売業者(UAE・中東諸国の輸出入などを行っている)までもが、野菜の生産事業に乗り出し、国産野菜の需要に対応しようと温室栽培をスタートさせている。

 オーガニックファームの一部では、土耕による有機栽培の事例もある。食品廃棄物などの堆肥化に挑戦する現地フレンチ・シェフによる農業進出など、幅広い形で有機・無農薬栽培が行われている。
 
こうした無農薬野菜(オーガニック野菜)や自然食品の売上高は、UAE、オマーン、サウジアラビアといった国で急速に伸びており、従来型の食料との代替市場として、中東全体で約5億ドルの市場規模がある、とも推計されている。(6th edition of the Middle East Natural & Organic Products Expo 2008)