東京電機大・学生アイデアの社会実装、水田IoTを活用した水位監視システムを長野県小谷村に実証導入

 長野県小谷村とKCCSモバイルエンジニアリング株式会社(KCME)、東京電機大学(TDU)は、地域の課題解決にIoTを活用するプロジェクト「おたりスマートソンプロジェクト」を発足した。

今回は、水田の水位監視を省力化する為の安価なIoTシステムを開発し、高齢化や人手不足の進む農家の負担軽減を目指します。2019年7月12日から村内で約10台の実験を開始しています。

東京電機大・学生アイデアの社会実装、水田IoTを活用した水位監視システムを長野県小谷村に実証導入
従来の水田における水田水位監視システムは、費用対効果が課題となっていました。本おたりスマートソンプロジェクトにおける水田水位監視システム「CMS(Comfort Management System)for Paddy」を用いた実証実験では、農家の負担を減らすことが出来るのかという観点と共に、単機能な廉価版製作の可否がポイントとなります。

小規模農家でも簡単に導入する事が出来、水位監視の省力化を図る事で将来的な耕作放棄地の減少を最終目的としています。


小谷村とKCMEは、2019年3月に地域の諸課題に対応し、地域社会の活性化を図ることを目的とする包括連携協定を締結しました。

またTDUは2018年12月に開催された京セラコミュニケーションシステム株式会社主催『Sigfoxで生活を楽しくする「IoTアイデアコンテスト」』で「格安スマート水田でIoT導入を手軽に実現」を情報環境学部の学生がエントリーし、プロトタイプ部門で優秀賞を受賞しました。

東京電機大・学生アイデアの社会実装、水田IoTを活用した水位監視システムを長野県小谷村に実証導入
「おたりスマートソンプロジェクト」は、この3者が地域課題解決のために各々の立場で参画し、村内に整備されているSigfoxネットワークを活用して、KCMEとTDUが共同研究で開発した「CMS for Paddy」による実証実験を開始しました。

新しい通信技術を活用し、学生のアイデアを社会実装するプロジェクトは、小谷村でも初めての試みとなります。

「おたりスマートソンプロジェクト」は、引き続き、産官学連携でLPWA「Sigfox」を活用し、小谷村の地域課題解決を推進してまいります。


※ Sigfoxとは、フランスのSigfox S.A.が提供しているIoT用のLPWA通信規格です。2009年よりフランスで導入が始まり、ヨーロッパを中心に現在60カ国で展開されています。

日本では京セラコミュニケーションシステム株式会社がSigfoxネットワークを独占展開しています。2017年2月のサービス開始以降、エリア構築を進め、2019年3月末時点の国内人口カバー率は95%です。