平川市とjwp、省電力広域無線技術「Sigfox」による鳥獣捕獲検知システムの導入実証へ

 青森県・平川市と株式会社ジョイ・ワールド・パシフィック(jwp)は、同社(jwp)が開発したクマやイノシシといった鳥獣捕獲を検知・通知するシステム「わなベル」導入による捕獲罠見回り省力化の実証実験を2019年6月より開始する。

近年、各地で鳥獣被害が深刻化しており一刻も早い対策が望まれる一方で、捕獲に携わる狩猟者の減少や高齢化などにより、捕獲効率の向上や見回り負荷の軽減が課題となっています。

この課題を受けてjwpでは、LPWA※1ネットワーク「Sigfox※2」を利用し、既存の捕獲罠にも簡単に取付できる捕獲検知・通知システム「わなベル」を開発しました。

平川市とjwp、省電力広域無線技術「Sigfox」による鳥獣捕獲検知システムの導入実証へ

背景
平川市では、ツキノワグマや、野うさぎなどによる農作物や、りんご樹への甚大な被害があり、平成28年度は41a、150万以上の被害があった。

現在は鳥獣用の監視カメラを設置し、生育状況や被害状況などを収集しているが、熱源を感知し動画やアラートをメールで通知する仕組みとなっているため、見回りをおこなう人間や、車のエンジンなどにも反応してしまい、不要なアラート通知が多数発報されるなどの問題もある。

今回導入する「わなベル」では、捕獲罠の侵入口が閉じたことを検知する仕組みとしており、実証実験でクマ用の檻罠に取付けし有効性を確認する。


今回通信に利用するSigfoxは、IoTに特化して開発・普及が進んでいるLPWAネットワークのひとつで、低コスト・低消費電力・長距離伝送を特長としたグローバルIoTネットワークです。

2009年よりフランスで導入が始まり、日本国内においても2020年3月までに全国にサービスエリアが拡大される予定で普及が進んでおり、既に青森県でも平川市を含む多くの地域で利用が可能です。

「わなベル」はSigfoxの特長を活かし、乾電池での動作が可能で、面倒な工事の必要もなく、既存の捕獲罠にも簡便に取付できるのが特徴です。

センサーが捕獲を検出するとSigfoxを通じてクラウドに捕獲情報が伝送され、利用者にメールなどで捕獲情報や位置情報が通知されることで、見回りの負担が軽減されます。

また、捕獲後の迅速な処理が可能となることで、捕獲鳥獣のジビエ利用などにも活用が期待できます。


(注 1)LPWAとは
「Low Power Wide Area」の略で、低消費電力、km単位の長距離で通信できる無線通信技術の総称です。

機器のバッテリー消費を抑えながら、データを収集する基地局まで電波を届けることができ、特にIoT(Internet of Things、モノのインターネット)向けなどに有用な技術であると注目を集めています。

2017年7月31日時点では、免許不要周波数帯の電波を利用するIEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)、LoRa、Wi-SUN、Sigfoxなどいくつかの規格があり、世界各地で実用化され始めています。


(注 2)Sigfox
低価格・低消費電力・長距離伝送を特長とするグローバルIoTネットワークです。

LPWA(Low Power Wide Area)を代表するネットワークとして欧米を中心に60か国で展開されており、日本国内においては、京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)が唯一のSigfoxオペレータとしてインフラ構築およびネットワークサービスの提供を行っています。