南米有数の人口密集地であるエクアドルの首都キトでは、市の経済開発局によって2002年に設立された、都市型農業プログラムが、徐々に成果を上げている。
本プログラムは、街に緑を増やす「グリーン・シティー」を実現するともに、最大の目的は食料確保となる。特に、安全・安心な生鮮野菜について、キトでは絶対的に不足しており、環境保全といった目的は、優先順位としては低くなってしまう。
都市型農業プログラムがスタートして17年が経過したが、現在では4,000カ所以上の都市型農場(ファーム)が開設されている。
規模の大小はあるものの、キト市には屋上ファームも含む、多くの農場を見つけることができるようになった。
また、都市型ファームが継続運営できるように、本プログラムでは、農場管理者に対して、実践的な研修トレーニングの提供や毎月の現地訪問指導を行っている。
収穫された野菜は自家消費だけでなく、販売といった農業経営を学ぶ機会も提供しており、週末に定期開催されるマルシェでは、自分たちが有機栽培した野菜を販売することもできる。
今後は、都市型農業プロジェクトを拡大させ、多くの農場を開設するとともに、ICTなどのテクノロジーを活用しながら効率的な農場管理を目指していく、という。
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