太陽光利用型の植物工場にて世界初の結球野菜技術:百年野菜のアグリポピュレイションジャパン

百年野菜ブランドを展開する(株)アグリポピュレイションジャパンの代表取締役である山根正義氏は、1990年から水耕栽培野菜に取り組み、長年の研究・試行錯誤により、2004年にヤマネ式循環養液栽培技術を確立。2005年に同社を設立し、様々な野菜の生産・販売、そして技術の普及活動を行っている。
 
 
ヤマネ式循環養液栽培は、太陽光(自然光)を利用した「養液栽培」である。また、多段化することで栽培密度を上げながら、通常の植物工場では難しいキャベツや白菜のような結球野菜、キュウリ、トマトといった果菜類も全て栽培することが、同社の強みである

特に人工光を利用した完全閉鎖型の植物工場では、リーフレタスのような葉が広がった野菜しか栽培することができず、現在のところ、完全閉鎖型・植物工場で栽培した結球レタスは市場に流通していない
 
レタスの種類(結球、リーフレタス、サンチュなど)

<結球したレタスや葉が広がったリーフレタス、サンチュもレタスの仲間>

 
ヤマネ式循環養液栽培は「100年後の未来の子供たちのために」という理念から百年野菜と命名し、ブランド化している。現在は、兵庫県と北海道の2ヶ所で実証プラントを稼働させており、北海道函館市にあるプラントは寒冷地用実験プラントとして300坪弱を運営。
 
 
主力プラントは姫路にあり、1090坪(≒3600平方メートル):150m×24mのスペースに幅1mの1〜4段ライン(多段式)が11列並び、トマト・キュウリ・ナスなどの果菜、ホウレン草・小松菜・水菜などの葉菜、レタス・キャベツなどの結球野菜など、09年4月現在では16種類の野菜を栽培している。
 
ヤマネ式循環養液栽培(姫路プラント)
ヤマネ式循環養液栽培(姫路プラント):クリックすると拡大できます

ヤマネ式循環養液栽培(姫路プラント)<HPより引用>
<ヤマネ式循環養液栽培:姫路プラントの様子:HPより引用>

 
同社の技術コアは、山根氏が長年の研究・試行錯誤の上に確立させた養液管理にある。特に、化学合成肥料や天然資材以外の農薬は一切使わない、無機栄養素(天然ミネラル)・有機酸の配合比率や最適温度管理にノウハウがあり、温度管理技術を活用することで、工場全体の空調は必要なくランニングコストも抑えることができる(もちろん一部の技術は特許出願済み)。
 
 
こうした養液管理により、根の有用微生物や細菌群を安定に保持させ、化学的な殺菌や農薬を使用することなく病害虫の発生を防いでいる。養液は完全に循環させており廃液はゼロ。作物の吸い上げにより減った分だけを補給し、万が一、病害が発生した場合には養液を廃棄するのではなく、天然ミネラル・有機酸のコントロールにより有用微生物を活性化・増殖させ、病害菌を抑制させることができる点は、同社の技術的な強みである。
 
 
栽培された野菜の栄養価が高いことはもちろんのこと(詳細データ)、一般的な水耕栽培の野菜よりも味が濃いのが特徴である。生産された野菜は、兵庫県内のデパート、スーパーに出荷している「野菜セット」は、常に完売で品薄状態が続いており、取引量の拡大を求められているほどの人気。例えば、東京・銀座「ラ・ベットラ」のオーナーシェフである、落合務氏も同社の野菜を高く評価している(例:過去のブログ)。
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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