ネポン、IBMサービスを活用。施設園芸・植物工場の統合AI制御事業を開始

 ネポン株式会社は、2012年から展開する農業分野向けクラウドソリューション「アグリネット」事業で取得・蓄積した施設園芸用ハウスや植物工場の環境・制御のビッグデータと、IBM Cloud・IBM Watsonを活用して、施設内の稼働機器の統合AI制御サービス事業を、2018年度より本格化する。

新事業では、農業市場に従事する生産者と新規参入する生産者および生産法人の生産性向上、農作物の品質改善の成果達成に向けた時間短縮、制御管理業務の効率化を支援します。

施設園芸関連機器の製造販売および保守を行うネポンは、農業分野における監視、制御、コミュニケーション機能等、豊富なメニューを揃えた「アグリネット」を提供すると同時に、主力製品である温室用温風暖房機(ハウスカオンキ)を始め、様々な機器を施設園芸分野に展開しております。

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農業ICTクラウドサービス(ネポンブランド名:アグリネット)
新事業の第一弾として、8月1日より提供を開始するのは、IBM Watson Assistantや音声認識機能を使って開発したチャットシステムです。

生産者が専用端末に音声で質問すると、自動的に文字に変換して、事前に蓄積された農家の知見とIBM Cloud上に保存される施設内のセンサー情報をもとに自動で回答が得られます。これまで情報共有が困難だった生産者の知見共有を促進するための支援になります。

例えば、農業に新規参入する生産者は、本チャットシステムを利用することで、土壌空間や地上空間などの分野で優れた農家の経験と知見をもとに、農業分野への参入障壁を軽減することができます。

今後、当社は日本IBMとさらに協業することで、温室用冷暖房機、光合成促進機等に代表されます栽培施設ハウス内の環境制御機器とセンサーおよびクラウド技術を一元管理し、ビッグデータと優れた農家の教師データを解析するAI(アルゴリズム)を活用し、施設園芸向けの環境制御の最適化目的に統合AI制御の実現を目指します。

また、ネポンは将来的にアグリネットで構築していたプラットフォームをオープン化し、新サービスとして提供する事で6次化までの中小企業向け農家同士のIoTプラットフォームとして業種・産業向けサービスを開発・展開していく予定です。


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