潜在的な可能性ではオランダを超えるチュニジア。地中熱を利用した植物工場が普及

 北アフリカに位置するチュニジアでも、その地理的メリットを生かして、太陽光利用型植物工場や技術導入した温室ハウスによる農業事業が拡大している。

地中海に面した同国では年中、安定した気温にて農業が可能であり、EU諸国よりも土地・人件費も安く抑えることが可能である。さらに、地下資源もあり、南部エリアでは、地下資源・地中熱を活用した施設栽培が増えている。

例えば、農業が盛んなエリアの一つとして、地中海に接した「ガベス県」がある。同エリアでは、トマトなどの園芸作物の輸出量が増えており、昨年9,700トン(前年同期比/2017年6月までの輸出量)だったものが、今年2018年6月までに、14,000トンの園芸作物(主にトマト)を輸出している。

輸出先は主に、EUや中東エリアとなり、ハイテク農業と地中熱を生かした低コスト・環境保全型の施設栽培を実現。場合によっては、周辺国と収穫時期をずらすことで、成功を収めつつある。

ガベス県のEl Hammaエリアでは、地中熱を活用した施設栽培が既に128ヘクタールもあり、11の農業法人と40の小さな農家が園芸作物の生産を行っている。

オランダの植物工場ノウハウを活用して発展

コスト面や気候条件に優れているチュニジア。地中熱を活用した太陽光利用型植物工場では、世界有数の技術ノウハウを持つオランダも、チュニジアには注目。10年近く前から、多くのオランダ企業がチュニジアに進出しており、オランダ国内で生産する生食用トマトと同品質の商品をチュニジアにて生産している。

潜在的な可能性ではオランダを超えるチュニジア。地中熱を利用した植物工場が普及
オランダの植物工場プラントメーカーのHAVECON社。同社ではチュニジアにて、約4.6haのトマト植物工場設備を納品
チュニジアにて、大型施設を稼働させているDesert Joy社の様子。フルーツトマト・ミニトマトといった高単価な作物を生産している。チュニジアにて稼働しているハイテク施設では一般的なケース。


チュニジアでは古くから、地中熱を利用して温水をつくり、ヒーティング・パイプを利用して住宅の暖房などに利用してきた。原理的には同じ方法にて、温室ハウスの暖房などにも利用され、チュニジアでは現在、約244ヘクタールの施設に導入されている、という。

そして、地中熱を利用した農業について、ガベス県の生産量は昨年(1年間)、作物全体で2,500万トンとなっており、そのうち12,000トンを輸出に回している。

資源エネルギーが豊富で、施設園芸が集中するエリアでは、輸送インフラも整備されているチュニジア。チュニジア産の高品質トマトをEU市場へ輸出した場合、シーズンによっても異なるが、オランダで生産する場合より、安く提供することも可能である、という。

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