5月アグリ研究会:「農商工連携/循環型農業の現状・事例、事業展開におけるヒント」当日の様子・内容についての報告

5月20日に開催されました「アグリジビジネス研究会:農商工連携/循環型農業の現状・事例、事業展開におけるヒント」に関する報告です。前半はNPO法人農商工連携サポートセンター:大塚 洋一郎 様、後半は船井総合研究所:山田 浩太 様(農業・バイオマスコンサルティングチーム リーダー) の講演・発表となりました。

 

  • 研究会の発表内容
    今回の研究会には22名が参加されました。今回は植物工場ではなく、「農商工連携」と「リサイクル・循環型農業」をテーマにしました。露地・土壌栽培でも、施設栽培・植物工場でも、農作物の生産・販売だけでは利益を確保することが難しく(付加価値をつけることが難しい)、はやり生産・加工・流通といった川上〜川下までを網羅する事業拡大モデルが最近の成功事例の傾向となります。
     
    こうした事業拡大モデルを構築するための鍵となるのが農商工連携である。農商工連携では、農林水産業と加工(工業)または流通企業が、通常の商取引よりもう一歩踏み込んだ連携を通して、魅力ある新しい製品やサービスを創造し、地域経済・雇用に貢献することが最大の目的である。
     
    当日の発表では、大きな変革点(法的側面)として、2008年7月に施行された「農商工連携促進法」と2009年12月に施行された「農地法改正」の2つを挙げていた。特に農地法では「農地は耕作者が所有するもの」という原則を「農地は地域資源であり、農地の適正・効率的な利用をはかる」として、根本的な目的自体を変えてしまったことは大きな変革点(=ビジネスチャンス)となるだろう。
     
    農商工連携の認定事業では、大きな枠組みでの傾向(農作物の商品開発が多く、サービス事業、林業や水産業分野の連携は少ない等)を示しながら、成功モデル事例について、独自の見解・調査内容を発表された。
     
    5月アグリ研究会
     
    また後半の発表・講演では、同社がなぜ食品リサイクル・循環型農業に注目したのか。一般的に言われている食料自給率や食の安全・安心といった表面的な理由だけでなく、さらに深いレベルでの国内農業における課題・ビジネスチャンスがあると考えた理由を示しながら発表して頂いた。
     
    特に国内農業の実態として農業者の年齢構成、農地・耕作放棄地の問題食料問題よりも、先に直面するのは“肥料問題”。世界的な人口爆発・食料需要の増加と国内農業の現状・課題点といった独自視点での考察や実際に取り組んでいる事業についての発表が印象的であった。
     
    例えば、植物が成長するための必須要素はいくつかあるが、中でも重要なものが窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の3大要素である。この3つの要素はどの肥料にも含まれており、窒素(N)は尿素から(さらに元をたどれば石油となる)、リン酸(P)やカリ(K)は鉱物資源が原料となる。そして、国内農業では、こうした尿素やリン鉱石といった原料の全量を輸入に頼っているのが現状である。こうした課題・現状を示すとともに、最終的には野菜の国内自給率の高さからリサイクル・循環型農業の必要性へとつながる点は、非常に納得する部分が多かった。
     
    → 当日のゲスト講師による発表資料/講演内容などをまとめたレポートは会員のみ閲覧可能です会員入会について

 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー

過去のピックアップ記事

  1. 植物工場による生産・販売事業からの撤退、今後はプラント開発に集中
     検査用LEDのシーシーエスは、新規事業として完全人工光型植物工場による野菜の生産・販売や飲食店経営…
  2. UAE初・最新の太陽光利用型植物工場ベンチャー。来年夏にトマトを初収穫
     シリコンバレーを拠点に投資活動を行っていたSky Kurtz氏が中東UAEにベンチャー企業「ピュア…
  3. 野菜の機能性に関する測定方法(機能性表示食品制度にも応用)
     機能性表示食品制度による商品の販売が6月16日より開始されました。当初は飲料や加工食品、サプリメン…
  4. ドローンによる一般農家への拡大。農業用ロボットが2024年には100万台へ
     大規模な露地栽培が展開されている米国において、若者を中心に新たな農業ロボットの活用が進んでいる。農…
  5. 人工光を利用し、連続光への耐性遺伝子でトマトの収量2割増
     野生種トマトに存在する遺伝子を導入し、栽培種トマトの苗を自然光と人工光の下で1日24時間生育させる…
  6. 植物工場によるベビーリーフの受託生産を計画
     福井県にて大規模な完全人工光型植物工場を運営するシーシーエスは、ハウス土耕などでベビーリーフを生産…
  7. ノース・ダコタ州立大学が約40億円にて植物工場・研究施設を完成
     米国のノース・ダコタ州立大学では最新技術を導入した植物工場が完成した。総投資額は3300万ドル(約…
  8. ローム 完全人工光型植物工場による一季成りイチゴの生産へ
     ロームは2014年9月、福岡県筑後市の子会社の半導体工場内で、LED光源を利用した完全人工光型植物…
  9. オリンピア照明、家庭用LED植物工場「灯菜アカリーナ」に続き、本格的なインテリア照明を販売開始
     オリンピア照明株式会社は、これまでお部屋で野菜を育むインテリアとして簡単に葉もの野菜やハーブが室内…
  10. ハワイでも完全人工光型植物工場によるアイスプラントの生産も
     熱帯気候のハワイにおいても、商業生産に向けて完全人工光型植物工場ビジネスに参入するベンチャーが現れ…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 静岡県が先端農業推進セミナーを9/7に開催。平成29年開設リサーチセンターの公募説明も
     静岡県では9月7日、健康長寿に貢献する「農・食・健連携」による産業の活性化をテーマに、県と共同研究…
  2. デアゴスティーニによる家庭用LED植物工場の第2弾。野菜・ハーブの水耕栽培キットを販売開始
     株式会社デアゴスティーニ・ジャパンは、LED光源を採用した家庭用・小型植物工場を簡単に楽しめる「L…
  3. 生鮮野菜への機能性表示食品が認可、植物工場野菜の市場拡大にも寄与
     消費者庁は8日、初の生鮮食品2製品を含む機能性表示食品4製品の届出情報を公表した。今年4月の制度開…
  4. パンメーカーが昭和電工の植物工場ノウハウを導入・電気代30%カットを実現
     昭和電工株式会社の植物工場システムが、イセタン クール ジャパンSDN.BHD.の運営するクアラル…
ページ上部へ戻る