ベトナムの水産輸出目標は90億ドル。エビ、白身魚パンガシウスの養殖技術の向上も

 ベトナムでは2018年の水産業の輸出額目標を90億ドルに設定した。1月16日に水産庁にて開催された会議にて目標値や今後の計画が発表された。

今年のベトナムにおける水産物全体の産出量は、昨年に比べて3.8%増の700~750万トンと予測。その内訳は、漁獲量は300~350万トン、養殖が400万トンとなっている。

特に大きなシェアを占めるエビの産出量は75万トン(前年比3.6%増)、ベトナムにて大量に消費されている白身魚Pangasius(パンガシウス)の産出量が130万トン(前年比3.9%増)となっている。

ベトナムの水産輸出目標は90億ドル。エビ、白身魚パンガシウスの養殖技術の向上もベトナムの水産輸出目標は90億ドル。エビ、白身魚パンガシウスの養殖技術の向上も
日本でもイオンなどが白身魚Pangasius(パンガシウス)の販売を開始し、レシピや調理方法の情報発信や店舗でも”かば焼き”といった商品にて販売されている。イオンによる特設サイト: https://www.topvalu.net/tv-pangasius/


 2017年、ベトナムの水産業輸出額は過去最高であり、2016年と比較すると10億ドル増の83億ドルを達成した。水産分野そのものが好調であっただけでなく、ベトナム農作物の輸出増に牽引された形で、水産分野の輸出額も大きく伸ばした。

ベトナムでは、農業分野においても、植物工場などのハイテク化を進めており、日本や現地民間企業による進出事例も増えている。

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2017年におけるベトナム水産養殖市場

 MARD(Ministry of Agricultural and Rural Development)によると、ベトナムの水産養殖量は2017年に383万トン(前年比5.2%)に達した、という。

養殖面積の拡大が主な要因だが、その中でも、Pangasius(パンガシウス)や汽水エビ(brackish water shrimp)の生産・消費拡大による影響が大きい。汽水とは、淡水と海水が混在した場所のことで、川が海に淡水を注ぎ入れている河口部などで養殖されている。

ベトナムの水産輸出目標は90億ドル。エビ、白身魚パンガシウスの養殖技術の向上も
2017年、エビの養殖市場は天候も良く、消費量も好調で拡大傾向となっている。

エビ全体の養殖面積は70万5,900ha。そのうち、ブラックタイガー59万5,800ha(前年比 1.3%増)、ホワイトえび11万1,000ha(前年比10.1%増)となっている。

なお、エビの養殖量は70万1,000トン(前年同期比 8.9%増)となっており、そのうち、ブラックタイガー27万500トン、ホワイトエビ43万500トンとなっている。

政府としても今後、エビや白身魚Pangasius(パンガシウス)の養殖施設・加工施設の建設、技術支援を推し進め、海外市場への水産物輸出をはかっていく、という。

写真/統計データ: Ministry of Agricultural and Rural Development(MARD)より