三機工業、木質バイオマスガス化発電設備市場に本格参入 発電所が7月より運営開始

 三機工業株式会社は、NKCながいグリーンパワー株式会社より2016年5月に受注し、山形県長井市寺泉に建設していた木質バイオマスガス化発電設備工事を完了し、2017年7月より営業運転を開始した。

日本の電源構成における再生可能エネルギー比率は拡大すると予想され、このうちバイオマスによる発電量は、2.2~2.8倍程度まで拡大するとされており、今後大きな成長が見込まれる分野のひとつだ。

NKCながいグリーンパワー株式会社木質バイオマスガス化発電設備は、2015年に発電容量2,000kW未満のカテゴリーが再生可能エネルギーの固定価格買取制度に設けられてから国内で初めて商業運転する木質バイオマスガス化発電所で、2016年7月に経済産業省より設備認定を受け建設を進めていた。

 同社は、この発電施設および隣接するチップ製造工場において、ガス化設備・タール燃焼装置などのプラント設備、および空調・衛生・電気設備工事など発電施設に必要な建築設備を担当した。

この発電所では、26,000ton/年の国産材(未利用木材や一般材等)を用いて、年間1480万kWh(一般家庭3,000世帯相当)の発電を行う予定。ガスエンジン発電機の発電効率は、この規模の一般的な蒸気タービン発電方式の2倍以上の高い効率を有している。

また、ガス化発電設備で課題となる木質タールは、やまがたグリーンパワー株式会社での運転実績をもとに蒸発濃縮し、全量を燃料として利用することでシステム全体のエネルギー効率を向上させている。

エンジンやタール燃焼装置から回収可能な温水は、発電施設内の利用だけでは余剰となるため、近隣での農業利用や各種施設への熱供給等、温排熱の有効利用方法についても検討している。