ベテラン農家の栽培ノウハウを数値化。誰でも利用できるデータベースの開発を検討(農水省)

ベテラン農家のノウハウなどを蓄積し、別の生産者が利用できるデータベースやシステムの開発を検討している。農業従事者の高齢化や後継者不足が深刻ななかで、IT(情報技術)人工知能(AI)を駆使した最先端の農法の普及などを目指すというもの。プロジェクトネームは「AI農業」。     確かにIT(情報技術)導入が遅れている分野として農業が挙げられる。2006年の農水省調査によると、農業経営にIT(情報技術)機器を利用している比率は24%。     今後は食の安全・安心への対応から予想収穫量の情報まで即時に発信できるITの活用が、農業生産者やJAにとって取引に不可欠となる時代が来るかもしれない。また、様々な技術導入によって生産性や品質の向上につながることは非常に良いことである。     ただし、導入コストが高ければ普及が難しくなる無償で誰でも自由に利用できるオープンソース・システムの開発であったり、補助金であったり、様々なアプローチからの支援が必要であるかもしれない。     ※ 「AI農業の展開について」<農業分野における情報科学の活用等に係る研究会報告書>:(PDFファイル全文)     以下、参考までに報告書の「背景および趣旨」の部分のみ記載

わが国の農業は、世界的に見ても相当に高いレベルの技術が広く普及している。またそれにより、高品質の農産物が比較的低廉な価格で供給できるような農業が実現している。このことは、わが国の農業の「強み」のひとつでもある。   こうした技術の発展においては、「匠」と呼ばれるような熟練技術を有する篤農家の存在が大きく貢献してきた。わが国の農業の未来を考える時、こうした優れた技術を次世代に継承していく必要がある。しかしながら、わが国の農業の現状を見ると、農業従事者の高齢化が一層進展する一方において、後継者不足が深刻化し、近い将来、優れた農業技術の伝承が難しくなるのではないかと懸念される状況にある。また、篤農家の多くが高齢者であり、「匠技術」の伝承が急務となっている。   一方、わが国の農業はこれまで、輸入農産物や他の産地の農産物の市場での競争の中で、高い品質を求める消費者や均質・安定供給を求める食品事業者などの様々なニーズへの対応に努力し、一定の市場を確保してきた。さらに最近では、高品質という優位性を生かして、海外市場へ打って出ようとする輸出振興の取組も進められている。   こうしたニーズや農業をとりまく動きに的確に対応し、わが国農業の将来にわたる発展を支えていくためには、篤農家の持つ優れた技術等を、より広く、多くの農業者が活用できるような仕組みを構築することが重要であると考えられる。また、近年、定年退職者の就農促進や企業の参入促進など、農外からの新規参入を促す政策が進められ、新たに農業にチャレンジしようとする者が増加している。   こうした新規参入者に対し、普及指導員やJAの営農指導員の指導等に加えて、篤農家の持つ様々な経験やノウハウ等を直接利用する方法を提供することができれば、経営参入時において大きな失敗をすることなく、比較的安定した経営を実現することも可能となるのではないかとの期待もある。   他方、最近の情報科学等の発達により、これまでマニュアル化が困難であった先人の「経験」や「勘」に基づく様々なノウハウなどの、いわゆる「暗黙知」をデジタルコンテンツなどの「形式知」に置き換え、技術の伝承等に役立てようとする取組が他の産業分野で進められている。   こうしたことから、情報科学等を農業分野に応用し、「暗黙知」も含めた優れた農業技術を「形式知」化することによって、技術を記録・保 存するとともに、農業者の技術向上や新規参入者への技術支援に活用できないか、また、形式知化した情報をロボット作業に適用することなどにより、今後の農業技術の進展に役立てられないか、といった観点から技術的な検討を行った。
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