世界初LAMP法による根こぶ病菌密度測定サービスを開始。栽培前に発病ポテンシャルを診断

 東京大学と連携して植物病院を展開するベジタリア株式会社は、遺伝子検査・診断向けオリゴヌクレオチドなどの製造を行う株式会社ニッポンジーンマテリアルと共同で、世界で初めて、遺伝子検査(LAMP法)による根こぶ病菌密度測定サービスを今年2月から開始する。
世界初LAMP法による根こぶ病菌密度測定サービスを開始。栽培前に発病ポテンシャルを診断
■根こぶ病に対する農家の現状
 土壌病害であるアブラナ科野菜の根こぶ病は、植物の根に「こぶ」を形成し、根からの養分吸収を阻害し萎凋させることで減収させてしまい、その病原菌は土壌中に休眠胞子という耐久体の胞子で存在し、野菜が栽培されると発芽して感染します。

菌密度が1万個/g土壌以上で発病のリスクは高まりますが、これ以下では発病しても大きな被害にはならないことが報告されています。
これまでは発病後に治病する薬剤がないため、発病するかしないかの判断なしに作付け前に薬を土壌に処理するのが一般的でした。このため、発病リスクの少ない圃場でも過多に薬剤を使用してきた事例も否めません。

■根こぶ病菌密度測定で栽培前に診断が可能に
 今回、発表されたLAMP法による根こぶ病菌密度測定は、三重県農業研究所鈴木啓史博士が開発しました。本法では検出限界は1,000個/g土壌レベルまで正確に測定が可能。

この方法を社会実装することで、圃場の発病しやすさ(以下、発病ポテンシャル)を栽培前に診断できるため、薬剤防除が必要な場合にのみ薬剤使用を推奨します。また、発病ポテンシャルが高すぎる場合は、アブラナ科野菜以外の根こぶ病が発生しない作物への変更を促します。薬剤防除が必要ない菌密度レベルの場合には、薬剤削減によるコスト、環境負荷の低減が期待されます。

■根こぶ病菌密度測定サービスについて
 本サービスでは、根こぶ病菌密度と発病に高い相関のある土壌pH等のデータに基づき、防除方法の提案、処方箋が提供されます。サービスは1検体用、5検体用、10検体用の3タイプで、10検体用は35,000円(1検体あたり3,500円)で提供されます。

アブラナ科野菜はハクサイ、キャベツ、ブロッコリ、コマツナ、チンゲンサイなど、3,579億円が生産されている重要な作物です(平成26年青果物卸売市場調査報告より)。

本サービスの申し込みは、2月よりベジタリア植物病院(R)根こぶ病菌密度測定サービスホームページ( https://www.plant.clinic/clubroot )上で受付を開始いたします。

<用語解説>
LAMP法:Loop-mediated Isothermal Amplificationの略、栄研化学が開発した遺伝子増幅法で日本独自の技術である。鎖置換反応を利用して一定温度でDNAを増幅させる方法である。

PCR法と比較して、DNAを2本鎖から1本鎖にする変性反応が必要なく、60~65℃の定温で反応が進行するという特徴がある。増幅速度が速く、特異性も高い。LAMP法では根こぶ病菌の遺伝子増幅が開始される時間に基づき菌密度を推定する。