オイシックスと大地を守る会が経営統合。自然派食品宅配では売上トップへ

 オイシックス株式会社と株式会社大地を守る会は、両社取締役会において、2017年秋を目処とした両社の合併による経営統合に向けて基本合意書を締結した。本統合後の役員構成については、大地を守る会代表取締役社長の藤田を会長、オイシックス代表取締役社長の高島を社長とする体制を予定している。

本統合により、両社の売上合計は337億円(2015年度実績)となり、成長を続ける食品宅配市場において、自然派食品宅配のナンバーワンとなります(グラフA参照)。両社の力を結集し、食の領域における社会課題をビジネスの手法で解決し、「より多くの人が豊かな食生活を簡単に送れる」社会を目指していきます。
オイシックスと大地を守る会が経営統合。自然派食品宅配では売上トップへ
■ 本統合の背景…自然派食品宅配の最大手となり、マーケットをけん引
 安心・安全に対するお客さまの意識は引き続き高い状況にあり、大手GMSがオーガニック専門店を出店するなど、業界は活性化しています。近年は、女性の社会進出による共働き世帯の増加や健康志向の上昇など、ライフスタイルや価値観の変化に伴いニーズが多様化し、食品宅配市場は成長を続けています。

このような環境を背景に、2000年に創業したオイシックスは「より豊かな食生活をより多くの人へ」という企業理念のもと、安心安全な高付加価値食品や時短献立キットをインターネットで販売することを主力事業としています。

一方、大地を守る会は、有機・無農薬食材の会員制宅配事業の草分け的存在として、40年の歴史と、約2,500人の契約生産者のネットワークを有しています。独自の生産・取り扱い基準に基づいて、安心・安全にこだわった農・畜・水産物や無添加の加工食品等を提供しています。

■ 本統合による宅配事業のシナジー…物流の共通化やマーケティングノウハウの共有
 本統合後、以下のような事業シナジーを想定しています。商品調達から販売までのサプライチェーンで共通する部分の効率化、マーケティングノウハウの共有による新規顧客層の拡大などが期待できます。
また、30代、40代前半を主要顧客とする「Oisix」と、40代以降を主要顧客とする「大地宅配」は、本統合後も「Oisix」「大地宅配」による事業展開を継続していく方針です。

<想定シナジー>
・売上成長へのシナジー
 -マーケティングノウハウの共有
 -共同商品開発、商品相互供給によるサービス向上

・コストダウンへのシナジー
 -物流センターやカスタマーサポートの共同運営
 -物流資材の共通化
 -システムの統合

■ 本業により食の領域の社会課題へアプローチ
 1975年、大地を守る会は「農薬の危険性を100万回叫ぶよりも1本の無農薬の大根を作り、運び、食べることから始めよう」を合言葉に、仲間と一緒に団地で無農薬野菜の青空市を開始。それ以来、だれもが安全・安心でおいしい商品を購入できるように、宅配事業やEコマース事業などさまざまな事業を展開してきました。

2000年に創業したオイシックスは、より多くの方に豊かな食生活をお届けするため、インターネットを活用し、利便性高く、安心安全な食品を届けています。
オイシックスではヘルシーな食品の商品代金の一部が寄付金となり、アフリカなどの飢餓で苦しむ子供の給食になる「TABLE FOR TWO(テーブルフォーツー)」商品の販売、忙しい女性の家事の悩みの解決のため、時短献立キット「Kit Oisix」の展開、生産者に感謝を伝える収穫祭「東京ハーヴェスト」の開催などを手掛けています。

大地を守る会では、大地や海の恵みを無駄なくいただき、生産者も応援できる「もったいナイシリーズ」の販売、在来品種という名の日本各地に昔から伝わる、地域の風土に根ざした野菜を守る「日本むかし野菜」の販売、「でんきを消して、スローな夜を。」を合言葉に、2003年より「100万人のキャンドルナイト」を展開しています。
本統合後、両社の力をあわせ、日本を代表する食の領域の社会的企業(ソーシャルビジネス)として挑戦を続けます。