IoTベンチャー企業が「医療・ヘルスケア」分野で大幅増。住宅、農業、スポーツ分野が続く

 アスタミューゼ株式会社によると、「第4次産業革命」において、ビッグデータ、AI、ロボットとともに次世代の基幹技術と目されるIoT。IoT分野の2025年時点での日本国内市場規模は約80兆円、グローバルでは約1920兆円に上ると見込まれています。

製造業ではファナックが工場用IoTプラットフォーム『FIELD system』を発表、住宅分野では積水ハウスがIoT住宅の実現に向けて異業種連携によるコンソーシアム設立に動き、通信分野ではIoT専用の通信規格の実証実験がソフトバンクによって国内で初めて行われるなど、IoT普及に向けた基盤整備が本格化してきました。

 また一方で、深刻な人手不足に悩む農業ではIoT活用による超省力農業が提唱され(※2)、2020年に東京オリンピックを控えるスポーツ業界では2025年に関連市場規模15兆円を目指すとし、そのうちの1.1兆円をIoT活用によるものと見込むなど(※3)、多様な産業においてIoT活用は重点項目となっています。

 アスタミューゼ株式会社(以下、アスタミューゼ)は、自社で保有する世界中の技術・特許・研究テーマ・製品情報とそれに関わるプレイヤー(企業・大学/研究機関)に対する投資データの分析を通じて投資・提携、新規事業支援を行っており、各分野のベンチャー企業に対する投資状況についても調査・分析を続けてまいりました。

そこで今回は、アスタミューゼが保有する世界190ヵ国の企業データベースの活用により、各産業におけるIoTベンチャー企業の動向を分析、その結果をご紹介します。

(※2)農林水産省「人工知能やIoTによるスマート農業の加速化について(案)」(平成28年11月)
(※3)経済産業省・スポーツ庁「スポーツ未来開拓会議 中間報告」(平成28年6月)

「医療・ヘルスケア」分野でIoTベンチャーが大幅増。住宅、農業、スポーツ分野が続く
今回調査対象としたのはアスタミューゼが保有する世界190ヵ国の企業データベースで、独自の定義により2006年以降に設立されたIoTベンチャー企業を抽出、図1の7分野に分類しました。
2006-2010年と、2011-2015年のIoTベンチャー企業設立数を比較すると、全体で163%の伸びを見せています。(※グラフ1)
IoTベンチャー企業が「医療・ヘルスケア」分野で大幅増。住宅、農業、スポーツ分野が続く

 分野別に見ると(※グラフ2)、特に大きく伸びたのが「医療・ヘルスケア」分野で、393%の上昇率となっています。
この分野のベンチャー企業では、今年2月にヘルスケアデータ分析のTruven Health Analytics社(2012年設立)をIBM社が約2900億円で買収して注目を集めたほか、ヘルスケアデータ分析アプリとウェアラブルデバイスを開発する中国のPicooc Technology社(2013年)がGobi Partnersなどから2014年2月までに約26億円を調達、連続的非侵襲生体モニタリングを可能とするウェアラブルデバイスを開発したスイスのBiovotion社(2011年設立)が保険会社のスイス・リーなどから2016年6月に約11億円を調達しています。

 他の分野では、「住宅」が253%、「農林水産技術」が243%、「スポーツ・教育・エンターテインメント」が223%、「自動車・交通」が194%の上昇率を記録しました。一方、高い比率を占めてきた「生産・物流・マーケティング」は133%の伸びに留まり、「社会インフラ」は82%と減少傾向を見せました。
IoTベンチャー企業が「医療・ヘルスケア」分野で大幅増。住宅、農業、スポーツ分野が続く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場設備販売(人工光型)_バナー

過去のピックアップ記事

  1. 2013年度は農業法人の休廃業・解散が拡大 電力高騰や後継者問題も
     帝国データバンクは、2006年度から2013年度の間で、農業法人の休廃業・解散動向に関する調査を実…
  2. 沖縄セルラー電話、植物工場の運営ノウハウとIoTを活用した家庭用水耕栽培キットを来年2月発売
     沖縄セルラー電話株式会社は、株式会社KDDI総合研究所の技術協力を得て、IoTを活用した家庭用の植…
  3. ユーヴィックス、自動追尾型の太陽光集光システムを販売。閉鎖型植物工場への応用も期待
     ユーヴィックスは、太陽の光を自動追尾装置で取り込み、ミラーの組み合わせで陽のあたらない建物内の奥空…
  4. ハワイでも完全人工光型植物工場によるアイスプラントの生産も
     熱帯気候のハワイにおいても、商業生産に向けて完全人工光型植物工場ビジネスに参入するベンチャーが現れ…
  5. UAE初・最新の太陽光利用型植物工場ベンチャー。来年夏にトマトを初収穫
     シリコンバレーを拠点に投資活動を行っていたSky Kurtz氏が中東UAEにベンチャー企業「ピュア…
  6. 世界市場でも注目される特殊発電フィルムの開発。植物工場・施設園芸での普及を目指す
     ICT・センサー技術を活用した環境制御型・植物工場や一般的な温室ハウス(施設園芸)であっても、露地…
  7. カナダ・サンセレクト社、植物工場によるトマト・パプリカの生産施設拡大
    カナダに本社を置くパプリカ・トマトの生産・販売企業であるサンセレクト社では、今年の秋から太陽光利用型…
  8. イベント報告、フェアリーエンジェル植物工場の試食見学会
     コンテナ型植物工場のカタール企業への納入というプラスのニュース(関連記事:三菱化学など、太陽光パネ…
  9. NTTファシリティーズ、青森県内初の医療法人・介護系事業所に植物工場を導入
     株式会社NTTファシリティーズは、医療法人蛍慈会・石木医院において青森県で初の医療・介護系事業所へ…
  10. 国内最大規模の植物工場施設の運営とライセンス事業を開始
     株式会社フェアリーエンジェルは、福井県美浜町に日本政策投資銀行から10億円の融資を受けて、大規模な…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 欧州におけるグリーン・カーテン市場、家庭への普及は限定的
     The Royal Horticultural Society(RHS)が主催するイギリス・チェル…
  2. 昭和電工と山口大、植物工場・高速栽培技術に関する世界展開へ
     昭和電工のLED光源を採用した完全人工光型植物工場ユニット「SHIGYOユニット」が、山形県天童市…
  3. タキイ種苗、トマト黄化葉巻病耐病性の大玉トマト「桃太郎ピース」を発売
     タキイ種苗株式会社は、2014年の新品種として食味と秀品性にすぐれ、夏場のハウス栽培にて急速に発生…
  4. 米国の都市型・植物工場NPO「フード・チェイン」がローカル・フードシステム確立のため30万ドルの資金調達を開始
     米国中東部・ケンタッキー州にて植物工場による都市型農業を推進するNPO組織「フード・チェイン」が加…
ページ上部へ戻る