以前、Myomo社CEOのSteve Kelly 氏とメールをやり取りした経緯から、新たなお知らせメールが届いていたので、この場で同社を紹介したいと思う。
Myomo社(my own motion の頭文字)は、FDA(米国食品医薬品局。日本の厚労省にあたる)からの承認を受けた脳卒中患者向けのリハビリ用ロボットアームの開発を行っている企業である。
米国では脳卒中の生存患者が570万人にも上り、毎年新たに70万人が脳卒中患者となっている。脳卒中は身体障害の一番の要因でもあり、軽い麻痺といった軽度の患者から、ほとんど手足を動かせない重度な患者まで、その程度は様々だが、どんな患者にとっても辛いのがリハビリである。
例えば重度の患者の場合、リハビリのために手足を動かそうとしても何もできない。そこで従来では、トレーニングのために脳内(大脳の運動皮質など)に直接、コンピュータチップを埋め込み、外部から電気刺激を与え、脳に手足の筋肉を動かすように、半ば強制的に命令させる、といった方法があった。
しかし、上記の方法(コンピューター・ブレイン・インターフェイスの一つ:関連記事)は、体への負担も大きく(リスクが高い)、コストも高いことが課題であった。
こうした課題を解決する手法として同社では、携帯・着用可能で軽量なロボット装具を腕にはめ、筋電図(EMG: 筋肉細胞収縮時の電気活動を感知する)で患者の電気的な筋肉活動を検知し、モーターにデータが送信されることにより、脳卒中患者が麻痺の残る腕を制御・サポートしてくれるのだ。
一人では手を動かすことができない患者でも、少し腕を動かすだけでも、その動作における筋肉活動を検知し、サポートしてくれるので、トレーニング補助ツールとしては最適。反復運動を通じて、脳細胞が破壊し動かなかったものが、別の神経経路が再生し、手が自由に動くようになることも期待できる。
データによると、重度の障害が残っている患者の腕の機能は、この装具の使用後に平均23%の回復が見られ(軽度であれば、著しく改善するケースが多い)、1年前に脳卒中に襲われた人でも、この装置を使うことで再び動かせるようになる可能性さえあるという。
※ 詳細については、また別の機会に企業研究成果を発表します。また2007年のNEDOのレポートが参考になる。
※ 動画もニューバージョンがアップされました。
※ 同社のFaceBook、参考記事:NYタイムズ
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