昭和電工、レジ袋や農業用マルチフィルム等に使用の生分解性樹脂の製造と販売を終了

 昭和電工株式会社が、レジ袋や農業用マルチフィルム等に使用される生分解性樹脂(ビオノーレ(R))の製造及び販売の終了を決定した。生産は2016年12月末、販売は2017年12月末までに終了する。

 本件に伴い、本年第3四半期決算において、製造及び販売終了に伴う損失を引当計上しており、当期業績への影響は軽微。本事業に関係する従業員については、同社グループ内において全員を他部署へ配置転換する予定。

 同社は、日本で初めて生分解性樹脂を開発し、1993年に樹脂の販売を開始した。最近では、環境問題を背景にした欧州や中国におけるプラスチック製レジ袋への規制の高まりを受け、ショッピングバッグ市場向けコンパウンド製品の販売に注力し、市場開発を推進していた。

しかしながら、法規制の浸透遅延や市況価格の低下などに伴い、生分解性樹脂事業を取り巻く厳しい環境は改善の傾向が見られないことから、今後も製造・販売を継続することは困難と判断した。

 同社は、現在推進中の中期経営計画“Project2020+”において、機能性化学品事業を成長加速事業と位置付け、国内市場に加え、中国・ASEAN市場においてインフラ向けや自動車・電子機器向けに事業展開を加速している。

引き続き成長する中国・ASEAN市場において、高付加価値の個性派製品を販売し、機能性化学品事業の収益力の強化を図っていきたいと考えている。