タキイ種苗、トルコのリト・トフムジュルク社の野菜育種部門を買収。中東向けのキュウリ、ナス、ピーマンなどの品種開発拠点として活用

 タキイ種苗は、2016年8月5日、トルコのリト・トフムジュルク社(リト社)の野菜育種部門を買収した。今回の合意についての金額的な詳細については公表していない。
同社は、欧州においてはタキイヨーロッパ(オランダ)を中心に、オランダ、フランス、デンマーク、スペインにある育種研究拠点5カ所とともに現在営業活動を行っている。

今回、新たにトルコに育種拠点を加えることで、トルコ、中東向けのハウス栽培用キュウリ、ナス、ピーマンなどの充実を図っていく。また欧州全体を通じては、今後有望視される東欧、アフリカ市場での販売強化を行っていく予定という。

■タキイ種苗 瀧井傳一社長のコメント
「今回のリト社の育種部門の買収により、リト社が持つ魅力的な品種を取り扱うことができ、トルコ・中東での販売に弾みがつくものと期待しています。今後は、タキイ種苗がもつ育種技術・遺伝子解析技術とリト社が培ってきた経験・技術ならびに育種素材を融合させ、地域のニーズに合った品種を生産者・消費者の皆さまに迅速にお届けしてまいります。」

(タキイ種苗の会社概要)
1835年に京都で創業。野菜・草花・牧草・芝草種子の開発、生産、販売を主な事業内容とする。これまでに開発してきた品種は2,000品種(野菜1,500品種、草花500品種)。

その代表的な野菜品種は、『桃太郎』トマト、『耐病総太り』ダイコン、『千両二号』ナス、『えびす』カボチャ、『向陽二号』ニンジンなど。2015年度(単体)の売上高は510億円。営業拠点数(国内5、海外10カ国に11)。育種研究拠点数(国内6、海外9カ国に11)。

■リト社 ハサン・ウナル社長のコメント
「今回、リト社の育種部門がタキイ種苗に加わったことで、タキイ種苗が取り扱う品種のバリエーションが広がり、お得意様の選択肢が広がるものと確信しております。タキイ種苗の高い技術力・営業力にリト社の優れた育種メンバーが加わることにより、世界の種苗業界をリードするタキイ種苗の更なる飛躍を期待します。」

(リト社の会社概要)
1995年にトルコのアンタルヤにて創業。同社はトルコで最大規模の育苗部門を保有している。また今回、タキイ種苗が買収した育種部門は約40名のスタッフを擁しており、キュウリ、ピーマン、ナス、メロンなどのハウス栽培用品種を中心に開発を行っている。

●タキイヨーロッパ(オランダ)
タキイ種苗では現在、本社(日本)、アメリカンタキイ(ATI:北米)、タキイヨーロッパ(TEBV:欧州)、タキイドブラジル(南米)の4拠点を軸に営業活動を進めています。特にATI、TEBVの両拠点については、物流・営業・研究の拠点とすべく、その整備を進めており、TEBVについては2020年までにその整備を終える予定。

TEBVは1990年にタキイ種苗が100%出資して設立。欧州における種子卸売販売および育種研究を主な事業内容とし、東欧、西欧、トルコ、中近東、アフリカをその主な商圏としている。

●バイオシード社(オランダ)
タキイ種苗は2005年にバイオシード社の株式の20%を取得。バイオシード社は、世界トップクラスの遺伝子解析技術を有するキージーン社を傘下に持ち、タキイ種苗はその技術を利用し品種開発の効率化、付加価値の高い品種開発に取り組んでいる。

●グローバルフラワーズ社(デンマーク)
1996年創立。営利農家向け鉢物、花壇物、切り花向け品種を育種する会社で、開発した品種はこれまで世界60カ国以上に輸出されている。主要品目は、ベゴニア、ガーベラ、ユーストマ、観賞用トウガラシなど。2008年にタキイ種苗が買収した。

●タキイフランス(フランス)
1995年設立。キージーン社との共同研究を行うとともにタマネギの育種も行っている。

●タキイスペイン(スペイン)
2014年に、TEBVの子会社として地中海に面するアルメリアに設立。地中海地域向けのトマトやメロンを中心に品種開発と販売を行っている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場設備販売(人工光型)_バナー

過去のピックアップ記事

  1. 日清紡による植物工場イチゴ「あぽろべりー」の出荷開始
     完全人工光型植物工場にてイチゴを生産する日清紡ホールディングスが、量産栽培に成功し、近日中の出荷を…
  2. 国内最大規模の植物工場施設の運営とライセンス事業を開始
     株式会社フェアリーエンジェルは、福井県美浜町に日本政策投資銀行から10億円の融資を受けて、大規模な…
  3. LED型植物工場による生産システムの確立へ いちごカンパニー
     廃校を活用した植物工場を運営するいちごカンパニーでは、LED光源を利用した閉鎖型植物工場におけるイ…
  4. 郵船商事による植物工場が福井に完成、1日1万株の大規模・人工光型施設へ
     郵船商事株式会社は、2014年10月より福井県敦賀市において植物工場建設を進めており、4月10日に…
  5. LA DITTA、人工光型植物工場のASEAN輸出に向けシンガポール18店舗でテスト販売
     株式会社LA DITTA(ラ・ディッタ)は、シンガポール現地の流通会社EASTERN GREEN …
  6. 中国でも施設規模の拡大と労働者不足により小型農機の需要増
     人民网・天津報道局によると、キュウリの収穫・運送、または収穫後の梱包作業に要する一人当たりの人件費…
  7. ローム 完全人工光型植物工場による一季成りイチゴの生産へ
     ロームは2014年9月、福岡県筑後市の子会社の半導体工場内で、LED光源を利用した完全人工光型植物…
  8. 太陽光型植物工場でも周年栽培へ 新たな四季成り品種を開発
     美味しい一季成りイチゴの周年栽培を目指し、多くの企業が完全人工光型植物工場によるイチゴの生産事業に…
  9. 米国におけるクロマグロの完全養殖 植物工場による環境制御技術の応用可能性も
     野菜の周年栽培を実現する植物工場だが、その環境制御技術は魚の養殖分野にも応用できる可能性がある。米…
  10. 都市部の食料問題と食育を解決。米国NYなど都市部で拡大するアクアポニクス・地産地消モデル
    米国・地産地消の市場規模は120億ドル  米国における地産地消ビジネスの市場規模は2008年の50…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. パンメーカーが昭和電工の植物工場ノウハウを導入・電気代30%カットを実現
     昭和電工株式会社の植物工場システムが、イセタン クール ジャパンSDN.BHD.の運営するクアラル…
  2. 大阪府による農福連携イベント。マルシェの開催や植物工場の見学会も実施
     大阪府では、農業の多様な担い手の確保と障がい者の雇用・就労の拡大を図るため、農と福祉の連携「ハート…
  3. 植物工場向け環境制御システム開発のホーヘンドールンがメキシコにトレーニングセンター開設
     太陽光利用型植物工場・施設園芸の大手環境制御システム会社でオランダのHoogendoorn(ホーヘ…
  4. 韓国ソウル市、規制緩和により垂直農場・植物工場プロジェクトを計画
     韓国ソウル市にて垂直農場プロジェクトが計画されている。ソウル市は4月13日、ソウル市特別市南西部に…
ページ上部へ戻る