NECソリューションイノベータは、協和株式会社と共に、農業ハウス環境制御システム「HERBEST(ハーベスト)」を開発した。
本システムは、協和社の水耕栽培システム「ハイポニカ」と、遠隔地からの農業指導を可能にする同社のクラウドシステム「圃場管理システム」をベースに、協和社の持つ栽培ノウハウによる圃場機器の自動制御機能を新たに開発し、協和社の肥料と栽培指導も組み合わせ、水耕栽培を支援する農業ハウス環境制御システムとして誕生したものです。
「HERBEST」では、自動的に蓄積された栽培環境データをもとにした最適な栽培指導や、システムによって自動解析された栽培環境データと生産者が設定した制御条件をもとに、ハウスの天窓や遮光カーテンなどの機器の自動制御を可能にします。「HERBEST」は2015年10月13日に協和社より販売を開始します。
【価格および販売目標】
・農業ハウス環境制御システム「HERBEST」
価格(税別):300万円~
備考:導入費用(システムライセンス、初期設定等)
・月額利用料
価格(税別):別途
備考:クラウド利用料、指導料
協和社では、2018年までに国内外合わせて30セットの導入を予定しています。
【背景】
協和社は、水耕栽培システムおよび肥料の製造・販売に50年の歴史を持ち、1粒のトマトの種から約1万7,000個の結実を達成するなど、水耕栽培による革命的な技術を有しています。この栽培技術により、トマトの水耕栽培システムメーカーとして国内最大の顧客数を誇る実績を持ちます。
これまで協和社では、農作物の様子や農業ハウス内の温度や湿度などの栽培環境をもとに栽培指導を行っていましたが、栽培指導担当者が環境データを管理して生産者に説明し、生産者側も圃場機器を手作業で調節しなければならない等、環境の管理に労力を要していました。
そこで両社は、遠隔地でも農業専門家による指導を可能にするNECソリューションイノベータの「圃場管理システム」を利用し、協和社の栽培ノウハウを取り入れた、水耕栽培をICTで支援するシステムを開発しました。
本システムにより、十分な農業経験がない生産者でも、より一層高生産な野菜栽培を実現することができます。
【特長】
1.圃場データをクラウドサーバーから見える化
圃場内のセンサーやカメラのデータを、当社が運営するクラウドサーバーに自動蓄積することにより、圃場内の環境管理や溶液管理、生育状況確認、圃場外の環境管理に必要なデータのグラフ化や分析が可能になります。
2.遠隔地からの栽培指導
離れた場所でも圃場機器の制御や観測データの確認ができるため、作業時間や栽培場所を問わず、最適な栽培指導を可能にします。また、インターネット環境が存在する海外の圃場を管理することもできます。
3.圃場機器の自動制御
生産者が設定した制御条件に従い、圃場機器(天窓、側窓、遮光カーテン、保温カーテン等)の自動制御を行います。従来は管理が難しかった早朝や日没後の時間帯でも、最適な環境管理を可能にします。
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