大和ハウス工業など、PM2.5や二酸化窒素などを浄化「大気浄化壁面緑化システム」販売開始

 大和ハウス工業株式会社と大和リース株式会社は「大気浄化壁面緑化システム」を共同開発し、8月6日より販売を開始する。

「大気浄化壁面緑化システム」は、汚染された空気をファンで吸い込み、汚染物質を土壌層に吸着させ、植物や土壌の微生物により二酸化窒素やPM2.5などを分解・浄化させるシステム(※2)となっている。

大和ハウス工業など、PM2.5や二酸化窒素などを浄化「大気浄化壁面緑化システム」販売開始
立体駐車場 外観イメージ
これにより、PM2.5は約65%削減できるとともに、二酸化窒素は約90%削減(※3)することができます。今後、両社は共同開発した「大気浄化壁面緑化システム」を自動車の排気ガスが発生する幹線道路沿いの立体駐車場や物流施設、工場、商業施設、オフィスビルなどに提案することで、汚染物質の低減に貢献していきます。

※2.電気代・灌水代・メンテナンスコストなどで年間4,000円/㎡~が必要となります。
※3.1㎡当たりでアイドリング中の自動車約10台分の排気ガスを削減できます。


■開発背景
 環境省の「環境基本法」の大気汚染に係る環境基準によると、人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準として二酸化窒素は「1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること」とされています。

しかし、2010年度に環境省が実施した調査によると、自動車からの排気ガスなどにより都市部では基準値を達成できず、課題となっています。

そこで、都市部の汚染された空気を浄化するべく、大和ハウス工業と大和リースは2012年4月、「大気浄化壁面緑化システム」の開発に着手しました。

2013年1月以降は、新たにグループ入りした株式会社フジタと3社で共同研究を開始しました。そして、大和ハウス工業と大和リースは、フジタが開発した土壌を用いた大気浄化システム「EAP」(※4)で培ったノウハウを、土壌基盤型壁面緑化工法「D’sグリーンフレーム」(※5)に組み合わせ、「大気浄化壁面緑化システム」を開発しました。

※4.商品名。Earth Air Purifierの略。
※5.大和ハウス工業と大和リースが2012年に開発した垂直な土壌層の緑化システム。


■「大気浄化壁面緑化システム」について
1.省スペースを実現
「大気浄化壁面緑化システム」は、都市部などの狭小地でも設置可能な土壌層を利用した浄化システムです。

これまで、一般的に土壌層を利用した浄化システムは地面に設置するため、広い敷地が必要となり、都市部では不向きとされてきました。

そこで、大和ハウス工業と大和リースは壁面に土壌層を設けることにより必要敷地面積の省スペース化を実現した「大気浄化壁面緑化システム」を開発しました。

これにより、本商品は土壌層を水平に設置する「EAP」と比較して、必要建築面積を約1/5にすることができました。


2.半永久的に効果が持続
「大気浄化壁面緑化システム」は、土壌層に二酸化窒素やPM2.5などを通気させることで、汚染物質を半永久的に浄化できるシステムです。

本商品では、まず汚染された空気をファンで吸い込み、汚染物質の多くを土壌内の水分に吸着させます。その後、吸着された汚染物質の一部を土壌微生物が分解し、二酸化窒素などを無害な窒素として放出。

植物も栄養素として汚染物質を吸収します。これにより、PM2.5を約65%、二酸化窒素を約90%削減することができます。また、土壌微生物が分解を続けるため、持続的な効果が期待できます。


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