大日本印刷、施設園芸・植物工場向けの反射保湿フィルムを開発

 大日本印刷(DNP)は、施設園芸や植物工場(太陽光)による園芸作物を栽培する際に、光の反射性に優れ、高い通水性と防汚性を持たせたシートを通路に敷くことで作物の成長を促進させる「DNP農業フィルム(反射保湿フィルム)通水用」を開発した。栽培育成用に開発したDNP農業用フィルム(反射保湿フィルム)とともに、2015年4月中旬に発売する。

大日本印刷、施設園芸・植物工場向けの反射保湿フィルムを開発

通路用のフィルムは、高い光反射性を持ち農作物の光合成を促進させるとともに、高い通水性から通路に水たまりが発生するのを防止します。また、一般の防草シートに比べ汚れにくいため、反射の機能を長期にわたって維持することができます。

【開発の背景】
ハウス栽培などの施設園芸では、野菜や果実が成長し、背が高くなってくると、農作物の下部に光が当たりづらくなり、光合成を促進するために光量不足を補う方法が求められています。

また、光量を補い雑草の繁殖を抑えるために、通路に市販の防草シートを敷いている場合がありますが、防草シートに付着した汚れが取りづらいことに加え、水たまりが発生すると菌の温床となってしまうことが課題となっていました。これらの課題に対し、DNPは、通路用シートとして通水性を高めた高反射・高防汚性の農業用フィルムを開発しました。

【「DNP農業用フィルム(反射保湿フィルム)通水用」の概要】
・可視光の95%を反射する高反射タイプです。ビニールハウスでの光合成の効果を検証する光量子量評価において、一般の防草シートと比較して反射性が40%以上改善しました。
本フィルムの使用によって、露地栽培や施設園芸のビニールハウス、植物工場などで光量不足を補い、光合成の効率的促進を図ります。また、マンゴーなどの着色を促進する効果も高く、着色の色むらを防止します。

・微細な穴開け加工により、通水性に優れています。
・高い防汚性のため、既存の防草シートに比べ汚れにくく、反射機能を長期的に維持できます。
・光による発熱を遮断し、地温の上昇を抑制します。

【実証試験例】
・オランダ型ハウス「トマト」「イチゴ」にて実栽培評価中(福島県他)
・土耕養液栽培での実栽培評価中「トマト」「イチゴ」(千葉県他)
・土耕ハウス「ブドウ」「ブルーベリー」にて実栽培評価中(中国)
・点滴灌水栽培「トマト」にて実栽培評価中(シンガポール)

【今後の展開】
DNPは、栽培育成用のDNP農業用フィルム(反射保湿フィルム)と、今回開発した当製品を、国内および海外の施設園芸、植物工場向けに販売し、年間20億円の売上を目指します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. フィリピンの田んぼアート。ドローン・アグロツーリズムによる若者世代への新たなアプローチ
     フィリピンのお米研究所(Philippine Rice Research Institute)の「…
  2. スプレッドがアフリカ地域への植物工場システム導入の可能性を検討
     完全人工光型植物工場を運営する株式会社スプレッドでは、植物工場の導入を希望するコンゴ民主共和国の要…
  3. スプレッドがアフリカ地域への植物工場システム導入の可能性を検討
     完全人工光型植物工場を運営するスプレッドは、京都府亀岡市に国内最大規模の植物工場を稼働させているが…
  4. NYブッシュウィック地区の再開発。緑豊かな巨大屋上スペースを確保・都市型農業も推進
     2015年3月、デザインファームのODAアーキテクチャーが、ニューヨークのブッシュウィックに、緑豊…
  5. 水不足のカリフォルニア州にて新たな都市型CSA農業モデルを実践。水耕栽培・アクアポニクスによる新技術導入
     昨年(2015年)の米国・カリフォルニア州における水不足は深刻な状況であった。同州では水不足の状態…
  6. マレーシア市場におけるイチゴ商品の可能性
     太陽光・人工光型植物工場によるイチゴの生産事例が国内で増えつつある現在、将来的には海外市場への輸出…
  7. 農業版シリコンバレー バイエル社が1200万ドルをかけて研究用の大型植物工場を建設
     バイエル社(バイエル・クロップ・サイエンス社)は、新技術の実証ショールームとして大型の太陽光利用型…
  8. 太陽光型植物工場でも周年栽培へ 新たな四季成り品種を開発
     美味しい一季成りイチゴの周年栽培を目指し、多くの企業が完全人工光型植物工場によるイチゴの生産事業に…
  9. 太陽光利用型植物工場を活用した震災復興事業が倒産へ
     2012年6月に宮城県名取市に太陽光利用型植物工場を建設し、レタスやベビーリーフの水耕栽培による生…
  10. 完全人工光型植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」での生産開始
     東芝は、神奈川県横須賀市に所有する遊休施設を利用し、無菌状態の野菜を作る植物工場「東芝クリーンルー…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. カゴメ、宮城県にて加工用トマトの大規模露地栽培へ
     太陽光利用型植物工場による生食用トマトの生産・販売を行う、カゴメ株式会社は、2012年以降、宮城県…
  2. エスジーグリーンハウス、植物工場による低カリウムレタスの生産へ
     2007年より太陽光利用型植物工場にてリーフレタスの生産・販売を行っているエスジーグリーンハウス(…
  3. メトロ・アトランタが都市型農業を拡大するために米国農務省から約2,500万円の補助金を獲得
     非営利団体のメトロ・アトランタ・アーバンファームは米国農務省(USDA)から約2,500万円の助成…
  4. 山形包徳、植物工場による低硝酸・低カリウムレタスが透析患者用として院内給食に採用
     完全人工光型植物工場を運営する株式会社山形包徳では、同社の福祉事業部が運営する障がい者主体の低カリ…
ページ上部へ戻る