富士経済、植物工場プラント市場は前年比34.1%増の55億円に拡大

 富士経済は、生産、流通、販売に至る過程において異業種からの参入が相次いでいる国内アグリビジネスの関連市場(植物工場プラント市場も含む)について調査を行い「アグリビジネスの現状と将来展望 2015」にまとめた。

 2014年のアグリビジネス全体の市場は、前年比8.1%増の600億円となった。
各分類の構成比は、栽培装置・機器・資材が全体の78.5%を占め、次いで植物工場設備などの養液栽培プラントが14.7%、環境負荷低減型アグリ資材が4.0%、栽培IT・ネットワーク技術が2.8%となった。

2月の関東地方の雪害からの復興特需は、一部の市場の拡大に大きく影響した。しかし、2015年以降は、その特需が落ち着き始め、市場の伸びは鈍化すると予想される。今後は農地集約に伴う大規模化や、異業種参入などによる農業の工業化への取り組みが市場を拡大させると予想される。

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■養液栽培プラント
 完全人工光型の植物工場、太陽光利用型の湛液型栽培プラント、NFT栽培プラント、固形培地栽培プラントを対象とする。
植物工場の市場には、採用される各種栽培プラント(湛液型、NFT、固形培地)、栽培装置・機器、IT技術の他、建屋の材料費用や工事費用なども含まれる。

 2014年の植物工場は、企業の遊休地を活用した案件の増加、大学や研究機関、福祉施設向けの小規模プラントやユニット型の導入案件の増加、高齢者雇用や障害者雇用に伴う各種助成金を活用した案件の増加などにより、前年比34.1%増の55億円となった。一方、比較的大規模な震災復興の案件が一巡したことで、太陽光利用型の伸びが前年より鈍化した。
2020年予測(2014年比)では、養液栽培プラント市場は196億円(2.2倍)への拡大が予測されている。

■人工光型植物工場
 植物工場では、これまで小規模プラントやユニット型を導入して試験栽培を実施してきた企業が、事業収益性の追求へと転換し、増設による大規模化を進めている。また、植物工場の海外展開の加速、高収量化/高品質化/栽培可能な作物・品種の増加による栽培事業への新規参入が期待されるため、今後も拡大が予想される。

■栽培装置・機器・資材
 灌水/給液管理装置、栽培用空調機器、植物育成用光源、固形培地、ガラス/フィルムハウス、養液栽培用肥料を対象とする。
植物育成用光源は、植物工場の増加により拡大している。これまではイニシャルコストが安価との理由から蛍光灯を光源とした植物工場が多かったが、2013年以降は低価格化や、高収量化/高品質化に向けた栽培研究が進んだこと、昨今の電気料金の高騰による栽培コスト低減に寄与する装置や機器・資材への需要の拡大などを受け、LEDを光源とするケースが増加しつつある。

■栽培IT・ネットワーク技術
 環境制御装置、栽培管理・モニタリングシステムを対象とする。
環境制御装置は震災復興特需に、関東地方の雪害からの復興特需が重なり、2014年は前年比で二桁増となった。今後は、農地集約による大規模化や、企業の農業参入に伴う栽培の高効率化要求の高まりにより、中長期的にも拡大が期待できる。

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植物工場・農業ビジネス編集部

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