カナダのケベック州 アイスサイダー・ワインが地理的表示保護制度に登録へ

 アイスサイダーとアイスワインが2014年12月19日、カナダ・ケベック州農務省によって地理的表示保護制度 (Protected Geographical Indication)に認定された。ケベック州で最初にアイスサイダーが製造されたのは1998年のことで、ヘミングフォードサイダー醸造所のフランソワ・プリオ氏が販売したアイスサイダー「Neige(雪)」である(写真はlafacecachee.comより)。

カナダのケベック州 アイスサイダー・ワインが地理的表示保護制度に登録へ

 アイスサイダーはもともと、1989年にフランスのワイン醸造者クリスチャン・バートモフ氏がアイスワインの人気にヒントを得て、木の枝上で凍ったリンゴを使用してサイダーを醸造したのが発祥とされる。フランス語が公用語のカナダ・ケベック州でも現在、50の生産者が存在しており、海外の国際コンテストでも評価が高く、受賞している。

 地理的表示保護制度の原形となった法律は古く1883年のパリ条約に始まる。1935年にはフランスでワインの原産地を統制する制度として法律の適応が開始され、日本では1995年の知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPs協定)の加盟によって、ぶどう酒や蒸留酒の呼称に関する保護が適応された。
その際には、焼酎の壱岐焼酎、球磨焼酎、琉球泡盛、薩摩焼酎、清酒の白山菊酒の5つが選ばれている。

 また日本国内でも、地域特産品となっている農林水産物や食品について、高付加価値化・ブランド化をはかるため、その地域に由来する品質や特徴について適切な評価を与える地理的表示保護制度の導入が検討され、昨年6月には酒類に限らず幅広い産品を対象とした「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が成立した。
本法律は今年6月より施行され、産品の登録申請の受付が始まる予定だ。

海外市場への進出を迫られる現状において、地域ごとの自然風土、伝統文化、生産方法を尊重しながら産品の名称保護、トレーサビリティーの役目も果たす本制度に対して、大きな期待が集まっている。

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植物工場・農業ビジネス編集部

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