ワタミグループ首都圏で初となる農地取得、2020年に自社農場1000ヘクタールへ拡大計画

 ワタミは25%を出資する農業生産法人ワタミファーム(千葉県山武市)を通じて農地の取得を始める。第1号となる農地は富里市の0.5ヘクタールを予定。有機栽培でレタスやニンジン、ダイコンを生産、居酒屋などで利用する。コストは借りる場合とほぼ同じで、農家も高齢のため担い手を探していた。このほど地域の農業委員会の承認を得た。

同社では、有機野菜を育てる農場を全国10カ所であわせて215ヘクタール運営してきた。これまでは借りていたが、今後は優良な農地の確保にも取り組む。直営農場を2020年までに2倍に広げる計画。

 同社は、2020年までに自社で使用する有機野菜・特別栽培の野菜の使用比率を現状の約60%(*1)から全量に引き上げること、将来の農業の担い手不足の一つの解決策である企業の農業進出を促すことを目的に、農地の取得と農業生産法人との連携を推進していくことで、自社農場を1,000ヘクタール規模に拡大していきます。

■ 自社農場拡大に向けて
ワタミグループは創業時から一貫して安全・安心・手づくりにこだわり、2002年に有機農業に参入しました。ワタミグループの子会社で農業生産法人 有限会社ワタミファームは、北海道から九州まで全国12ヵ所に約800haの規模で有機農業、畜産・酪農事業を展開し、ワタミグループの重要な食材供給拠点となるだけでなく、有機野菜を原料として商品化することで各事業の重要な差別化要素となっています。

 ワタミグループの年間での野菜使用量は約4,700トンとなっており、その内の約20%にあたる約1,000トンの有機野菜をワタミファームで生産し、約40%にあたる約1,900トンの有機野菜・特別栽培の野菜を契約農家から調達しております。今後、グループ内での有機野菜・特別栽培の野菜の取り扱いを全量にしていくには、200ヘクタール以上の圃場が必要となり、生産性の向上と契約農家の増加に加えて、「優良な農地の取得」や「農業生産法人との連携」を推進していくことが欠かせません。

■ 新たな農地の取得について
 ワタミファームは2002年から千葉県山武市で有機農業を営み、2004年同県白浜市、2005年同県佐原市にそれぞれ農場を開設し、2011年には千葉県山武市に隣接する富里市で北総集荷センターを開設し近隣の農家の方々の農作物の集荷業務を担うなど、12年に渡って地元の農家の方々の協力を得ながら千葉県内で有機農業を営んでまいりました。

ワタミファームは、地元の農家の方々からの信用と有機農業にかける思いをご理解していただけことにより、2014年6月23日、千葉県富里市の農業委員会の承認を得て同市内で1,500坪(0.5ヘクタール)の農地を新たに取得させていただくことができました。ワタミファームの今回の農地取得は首都圏では初の事例となります。富里市の新たな農場では、レタス類、大根・人参の根菜を季節に合わせて収穫し、自社に供給する予定です。

 この度の農政改革案では、株式会社の農業生産法人への出資規制を25%以下から50%未満へ段階的に緩和し、将来、株式会社が実質的に農地を持つことができるようになり、企業による農業進出を促す法整備を検討中ではありますが、現制度でも、企業として本腰を入れて農業を営み、社員自らが農作業を行い将来の担い手となっていくことで、地元の農家の方々からの信用とご理解を得られ、大切な農地を継承させていただき永続的に農業を営むことができるようになります。

(*1):現状の数値は外食事業・介護事業の仕入れ量率。将来の全量計画はお弁当事業を含む目標値となます。

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植物工場・農業ビジネス編集部

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