CO2濃度上昇が、イネやムギなど穀物の亜鉛や鉄分の減少へ

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の濃度上昇が、イネやムギなど穀物に含まれる亜鉛や鉄分の減少を引き起こすことを、日米などの研究チームが英科学誌ネイチャー電子版に発表した。亜鉛や鉄分の摂取を穀物に依存する発展途上国では、温暖化が進めば栄養素が不足する恐れがあるという。

チームは1998〜2010年、日米豪の農地で、世界の主要穀物であるムギ、イネ、ダイズ、トウモロコシ、エンドウ、モロコシを、同一環境でCO2濃度だけを変えて栽培した。CO2濃度は現在の農地の平均的な濃度(363〜386ppm=ppmは100万分の1)と、現在より200ppm上昇した場合を比べた。

 その結果、全ての穀物で亜鉛の濃度が減り、鉄はモロコシ以外で減少した。例えば、ムギは亜鉛が9.3%、鉄が5.1%減り、イネは亜鉛が3.3%、鉄が5.2%減った。
亜鉛や鉄分が不足すると、味覚障害や貧血などの健康被害が起きる。世界で約23億人が、これらの栄養素を主に穀物から摂取しているという。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場設備販売(人工光型)_バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. NYブッシュウィック地区の再開発。緑豊かな巨大屋上スペースを確保・都市型農業も推進
     2015年3月、デザインファームのODAアーキテクチャーが、ニューヨークのブッシュウィックに、緑豊…
  2. 台湾・植物工場の市場規模と参入事例調査 2015【調査報告レポート】
    一般社団法人イノプレックスでは、2013年から毎年開催されている台湾の植物工場展示会(Photoni…
  3. 大規模量産化による植物工場野菜の低価格化
     植物工場によるレタス生産について、大きな初期投資やランニングコストから、露地野菜より2~3割ほど販…
  4. 水の上に浮かぶオランダのハイテク都市型農業。植物工場と畜産による野菜やミルク加工品などを生産
     オランダのロッテルダムでは都市部での食料生産に関する最新プロジェクトが動き出している。水の上に農場…
  5. 阪神野菜栽培所の植物工場、新たにケールのベビーリーフ商品を販売
     阪神電気鉄道株式会社では、鉄道高架下(尼崎センタープール前駅)の「阪神野菜栽培所」の植物工場にて、…
  6. オリンピア照明、家庭用LED植物工場「灯菜アカリーナ」に続き、本格的なインテリア照明を販売開始
     オリンピア照明株式会社は、これまでお部屋で野菜を育むインテリアとして簡単に葉もの野菜やハーブが室内…
  7. ドイツベンチャーによる都市型・大規模アクアポニクス施設を建設
     ドイツ・ベルリンにて2012年、れんが造りの古い醸造所跡に設立されたECFファームシステムズ社によ…
  8. 世界の種苗各社 新品種の利用交渉を迅速化する共有プラットフォームを設立
     品種改良によって生まれた新品種を、どのように扱うかという議論は、ここ数年、特にヨーロッパで盛んにな…
  9. ファミマのサンドイッチ・サラダ、植物工場野菜への試験的な変更
     株式会社ファミリーマートでは、国内の植物工場で栽培された野菜を、サンドイッチやサラダなどの中食商品…
  10. JR東日本グループ、太陽光利用型植物工場トマトを様々なメニューで採用。六次産業化による地域活性化も
     JR東日本グループでは、農業を通じたものづくりの一環として、太陽光利用型植物工場を運営する「JRと…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. カナダの藻類ベンチャー、閉鎖型・植物工場とアクアポニクスの融合設備にてスーパーフードを生産
     カナダ・リッチモンドの藻類ベンチャーであるアルジブルーム・インターナショナル社は、1年前にスピルリ…
  2. アサガオから花の寿命を調節する遺伝子を発見、切り花の長期保存技術への応用も
     鹿児島大と農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所(茨城県つくば市)の研究グループは7月1日、アサ…
  3. 「生物農薬」で販売される飛ばないテントウムシ、ハウス内にて長期間の防除効果が期待
     農研機構の「近畿中国四国農業研究センター」は、テントウムシの一種・ナミテントウを飛ばないように改良…
  4. カゴメ、宮城県にて加工用トマトの大規模露地栽培へ
     太陽光利用型植物工場による生食用トマトの生産・販売を行う、カゴメ株式会社は、2012年以降、宮城県…
ページ上部へ戻る