日立建機、藻類による100%バイオ燃料にてショベルの稼働試験を実施

 日立建機は、藻類よりできたバイオ燃料を100%の濃度で使用し、世界で初めてハイブリッド油圧ショベルで500時間の稼働を達成したと4月11日に発表した。
同社はCO2排出が少なく、燃費の良い製品の製造を環境ビジョンに入れており、化石燃料の使用量を抑えた低燃費の建設機械の研究開発を進めている。環境適合製品の比率を高めるため、電動式油圧ショベルやハイブリッド油圧ショベルなどを製品化してきた。

日立建機、藻類による100%バイオ燃料にてショベルの稼働試験を実施

 バイオ燃料とは、大気中のCO2を吸収して生長した植物の油から作られ、地球環境上のCO2削減に寄与する燃料です。また、微細藻類とは、淡水や海水だけでなく、陸上にも普遍的に生育する微小な植物プランクトンの事です。微細藻類の大きさは数マイクロメートルから数10マイクロメートルですが、パームヤシやトウモロコシなどの油糧植物を大幅に上回る効率で油を生産します。

バイオ燃料の原料としてパームヤシやトウモロコシなどを用いる場合には、食糧との競合が課題となっていますが、微細藻類は食糧需給に影響を与えずに化石燃料への依存度を低減し、持続可能な社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めています。

 本稼働試験の実施にあたっては、世界10数社に及ぶ各種の藻類バイオ燃料を詳細に検討しました。その中から、ディーゼルエンジンの稼働に適した燃料性状や開発状況を考慮して、ソラザイム社(Solazyme,Inc.、本社:アメリカ・カリフォルニア州)製の“ソラディーゼルRD(SoladieselRD)”を選択しました。

ソラディーゼルRDは、硫黄分や芳香族分を含まず、セタン価の高い燃料です。これらの特徴は、排出ガスの性状の改善や、急激な燃焼を防止する効果があり、従来のバイオ燃料や軽油にはないものです。そのため、ソラディーゼルRDはCO2を削減するだけでなく、新しい性状を有したバイオ燃料であるといえます。

ソラディーゼルRDを使用した稼働試験は、道路整備などを事業とし、バイオ燃料を通じた環境問題の解決に熱心に取り組んでいる前田道路株式会社に協力をいただいて、2013年9月から、福島県郡山市の前田道路郡山合材工場で実施しました。


試験は、標準機に比べてCO2の20%低減と省エネを実現したハイブリッド油圧ショベルZH200を使用し、エンジンメンテナンスサイクルの500時間稼働を目標に設定しました。また、日々のデータ収集には、衛星通信システム「グローバルe-サービス」を利用し、試験機の稼働状況を遠隔で監視、分析しました。遠隔監視の下、試験機は順調に稼働し、 11月に500時間の稼働を達成しました。
運転を担当した前田道路の協力会社のオペレータ(オペ歴14年)からは、操作性を損なうことなく、軽油と同等のパワーを得られた、とのコメントをいただきました。

 本試験は、燃料に対するこれまでの研究で蓄積したノウハウに基づき、事前に多くの確認作業を実施したことで、第一の目標である500時間の稼働を達成することができました。本試験の結果により、500時間以降の長期稼働時や他機種への適用性が、今後の検討項目となります。(本試験の結果は、当社のすべての製品および使用環境での適用性を保証するものではありません。)

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