住友商事が大豆などの農業用殺菌剤「メトミノストロビン」事業権を買収

 住友商事は4月10日、独バイエルグループで農薬大手のバイエルクロップサイエンスから、大豆などに使う農業用殺菌剤「メトミノストロビン」の日本を除く世界での製造・販売権を取得したと発表した。取得額は不明だが、同社はアジアに加え、世界第2位の大豆生産国であるブラジルなどでも販路を開拓する。

 世界の穀物生産量は、人口増加や所得水準向上による食生活の変化などから、1970年に比べ約2倍の水準にまで増加しました。農地面積も拡大し続けていますが、2050年頃に予想される食料需要を賄うためには、現在の穀物生産量を倍にする必要があるとの見方もあります。
確実に穀物生産量を増やすには、農地面積だけでなく収量を増やすことが必須であり、農薬がより重要な役割を果たすことになります。

住友商事が大豆などの農業用殺菌剤「メトミノストロビン」事業権を買収

 今般事業権を買収したメトミノストロビンは、特に大豆の大敵である「さび病」などに対して優れた予防・治療効果があります。
また、既に世界第三位の大豆生産国であるアルゼンチンを始めとする南米諸国(コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア)や、穀物需要が大きく伸びているアジア各国(ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア)、イスラエルで農薬登録されており、世界第二位の大豆生産国であるブラジルにおいても、住友商事が出資参画するイハラブラス社を通じて農薬登録申請中です。
取扱量は年々増加傾向にあり、急を要する世界の穀物収量増に短期間で貢献できる農薬として、今後も需要の増加が期待されます。

住商アグロはメトミノストロビンの更なる普及に取組み、2020年には全世界で数十億円規模の売上を目指します。また、新規化合物との混合剤の開発にも積極的に取り組み、更なる用途拡大をはかります。

 住友商事グループの農薬事業は、1970年代に日系メーカーの農薬輸出から本格的に始まり、現在は欧米を中心に世界約30カ国以上で輸入や販売業を展開しています。また、川下分野へのバリューチェーンの深化を戦略として掲げ、農業資材問屋の買収などを通じて事業範囲を拡大させてきました。今後も取扱剤の拡充や拠点の開設など多面的な取り組みを通じて一層の収益基盤強化を目指します。

◆ 具体的には、メトミノストロビンの安全性評価資料および全世界での製造権、開発・販売権を買収。なお日本国内での販売権および安全性評価資料は、引続きバイエル クロップサイエンス株式会社が保有します。

◆ さび病とは、大豆栽培上最も恐れられる病害のひとつ。感染が進むと葉が落葉し、大幅に収量を減らしてしまう病気。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. 大規模量産化による植物工場野菜の低価格化
     植物工場によるレタス生産について、大きな初期投資やランニングコストから、露地野菜より2~3割ほど販…
  2. 大規模植物工場のスプレッドが生産体制を増強・フランチャイズ事業を展開へ
     国内最大規模の完全人工光型植物工場を運営するスプレッドは、産業用ロボットメーカーの安川電機と201…
  3. NTTファシリティーズ、青森県内初の医療法人・介護系事業所に植物工場を導入
     株式会社NTTファシリティーズは、医療法人蛍慈会・石木医院において青森県で初の医療・介護系事業所へ…
  4. 世界市場でも注目される特殊発電フィルムの開発。植物工場・施設園芸での普及を目指す
     ICT・センサー技術を活用した環境制御型・植物工場や一般的な温室ハウス(施設園芸)であっても、露地…
  5. マルワトレーディング、顧客ニーズに合わせた植物工場を提案
     植物工場・水耕栽培の専門店「水耕栽培どっとネット」を運営する株式会社マルワトレーディングでは、水耕…
  6. ノルウェーにおける野菜価格と周年生産・地産地消を実現する植物工場ビジネスの可能性
    三菱化学と現地レストランが植物工場による実証生産を開始  弊社では、冬の気候が厳しく野菜の周年生産…
  7. 米国の水耕小売企業が垂直型植物工場にて巨大なバジル栽培に挑戦
     人工光植物工場による垂直栽培装置の製造・販売を行うスーパークローゼット・ハイドロポニクス社では、自…
  8. シンガポールでの都市型農業ブーム。自然公園エリアの貸農園も予約待ちへ
     シンガポールの自然公園エリア「ホート・パーク」内に去年の7月より運営を開始している貸農園(レンタル…
  9. オーストラリア政府がクリーン技術に1000億円以上の支援。環境配慮型の植物工場にも注目
     オーストラリア政府は、太陽光や風力などの自然エネルギーや省エネ・CO2などの排出削減など、地球環境…
  10. 日清紡による植物工場イチゴ「あぽろべりー」の出荷開始
     完全人工光型植物工場にてイチゴを生産する日清紡ホールディングスが、量産栽培に成功し、近日中の出荷を…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 生鮮野菜への機能性表示食品が認可、植物工場野菜の市場拡大にも寄与
     消費者庁は8日、初の生鮮食品2製品を含む機能性表示食品4製品の届出情報を公表した。今年4月の制度開…
  2. 欧州におけるグリーン・カーテン市場、家庭への普及は限定的
     The Royal Horticultural Society(RHS)が主催するイギリス・チェル…
  3. パナソニックエコ、施設園芸・低コスト型植物工場をターゲットに局所環境制御技術を導入
     パナソニックエコソリューションズ社は、農産物の生産効率向上と生産者負担の軽減を図る「アグリ・エンジ…
  4. タキイ種苗、機能性野菜「ファイトリッチ」シリ−ズのタネを発売
     タキイ種苗株式会社は、野菜の"機能性成分"を豊富に含み"おいしさ"を兼ね備えた『ファイトリッチ』シ…
ページ上部へ戻る