パーム油のアブラヤシの搾りかすを利用した環境に優しい次世代燃料「バイオコークス」の生産導入試験をマレーシアにて実施(大阪ガス・近畿大学)

大阪ガスの子会社である大阪ガスエンジニアリング株式会社と近畿大は3月3日、パーム油がとれるアブラヤシの搾りかすを使い、製鉄に使う石炭コークスの代替燃料「バイオコークス」をつくる実証実験を始めると発表した。マレーシアにプラントをつくり、7月にも生産を始める。日本の工場で利用し品質を確かめる。

パーム油のアブラヤシの搾りかすを利用した環境に優しい次世代燃料「バイオコークス」の生産導入試験をマレーシアにて実施(大阪ガス・近畿大学)


マレーシアでは年2千万トンの搾りかすが捨てられており、活用が進めばゴミの削減になる。植物由来の燃料は二酸化炭素(CO2)の排出量がゼロとされるため、環境保護に役立つ。価格は石炭コークスより安くなると見込んでいる。近畿大が主に技術開発を担当し、大阪ガスの子会社、大阪ガスエンジニアリングがプラントを設置する。

〜環境に優しい次世代燃料「バイオコークス」〜
マレーシアで、パーム椰子原料「バイオコークス」の生産導入試験を開始
近畿大学×大阪ガスエンジニアリング株式会社


近畿大学(大阪府東大阪市)と大阪ガスエンジニアリング株式会社(以下OGE 本社:大阪市中央区)は、パーム椰子やし原料「バイオコークス(※1)」の海外における生産実証の導入試験を開始します。 なお、本件は独立行政法人科学技術振興機構(以下JST)の実施する「産学共同実用化開発事業」として採択されております。


この度の試験では、海外で廃棄されている未利用のパーム椰子由来のバイオマスを原料としてバイオコークスを製造します。従来の国内生産にくらべて原料の調達が容易で、原料価格も安いため、大幅な製造原価の削減が期待できます。海外での製造試験は、国内の事業者及び大学としては初の試みとなります。


近畿大学はこれまでの知見を生かし、短時間で効率よくバイオコークスを成形する条件の選定を行います。OGEはLNG(液化天然ガス)プラントや水素製造プラントなどの設計、建設を行う総合エンジニアリング事業に加えて、石炭コークスを使用したコークスベッド式汚泥溶融炉の建設・運転管理も行っており、今回の実証試験ではそこで蓄積したコークスに関する技術、ノウハウを生かし、バイオコークスの実用化に取り組みます。


今回の試験では、OGEは新たに開発されたバイオコークス連続製造装置のパイロットプラントをマレーシアの協力企業に設置し、サンプル製造試験(年間650トン程度)を約2年間行います。現地での導入試験が成功すれば、本格的実用化開発として、引き続き商用プラントを建設し、バイオコークスの量産化及び日本国内の溶解炉等への販売を目指します。


なお、本導入試験は、パームバイオマスの用途拡大、バイオマス燃料による環境改革を推進する事業として、マレーシア投資開発庁からも期待されています。両者は今後も、バイオコークスを始めとした再生可能エネルギーの普及拡大に貢献していきます。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. 米国ワシントンの大学、食・農業ビジネスを通じて都市問題を解決する起業家の育成へ
     米国ワシントンDCにあるディストリクト・オブ・コロンビア大学では、食・農業ビジネスを通じて都市問題…
  2. 水不足のカリフォルニア州にて新たな都市型CSA農業モデルを実践。水耕栽培・アクアポニクスによる新技術導入
     昨年(2015年)の米国・カリフォルニア州における水不足は深刻な状況であった。同州では水不足の状態…
  3. オーストラリア政府がクリーン技術に1000億円以上の支援。環境配慮型の植物工場にも注目
     オーストラリア政府は、太陽光や風力などの自然エネルギーや省エネ・CO2などの排出削減など、地球環境…
  4. マルワトレーディング、顧客ニーズに合わせた植物工場を提案
     植物工場・水耕栽培の専門店「水耕栽培どっとネット」を運営する株式会社マルワトレーディングでは、水耕…
  5. 植物工場による生産・販売事業からの撤退、今後はプラント開発に集中
     1992年に京都で創業したシーシーエス株式会社は、LEDを使用した照明装置の専業メーカーである。特…
  6. カナダの植物工場市場/国内における施設面積1335ha・市場規模1568億円にて主力産業の一つ
    米国の植物工場・市場動向トレンド  世界市場において植物工場への投資が加速している。米国では人工光…
  7. JR東日本グループ、太陽光利用型植物工場トマトを様々なメニューで採用。六次産業化による地域活性化も
     JR東日本グループでは、農業を通じたものづくりの一環として、太陽光利用型植物工場を運営する「JRと…
  8. UAE初・最新の太陽光利用型植物工場ベンチャー。来年夏にトマトを初収穫
     シリコンバレーを拠点に投資活動を行っていたSky Kurtz氏が中東UAEにベンチャー企業「ピュア…
  9. 農業版シリコンバレー バイエル社が1200万ドルをかけて研究用の大型植物工場を建設
     バイエル社(バイエル・クロップ・サイエンス社)は、新技術の実証ショールームとして大型の太陽光利用型…
  10. 水の上に浮かぶオランダのハイテク都市型農業。植物工場と畜産による野菜やミルク加工品などを生産
     オランダのロッテルダムでは都市部での食料生産に関する最新プロジェクトが動き出している。水の上に農場…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 植物工場向け環境制御システム開発のホーヘンドールンがメキシコにトレーニングセンター開設
     太陽光利用型植物工場・施設園芸の大手環境制御システム会社でオランダのHoogendoorn(ホーヘ…
  2. 生鮮野菜への機能性表示食品が認可、植物工場野菜の市場拡大にも寄与
     消費者庁は8日、初の生鮮食品2製品を含む機能性表示食品4製品の届出情報を公表した。今年4月の制度開…
  3. 大林組、植物工場ベンチャーのスプレッドと提携。日産3万株の大規模施設を検討
     株式会社スプレッドは同社が開発した完全人工光型植物工場”Vegetable Factory(TM)…
  4. 新日鉄住金エンジ、ローソンファーム秋田の植物工場に自社システム建築商品を納入
     新日鉄住金エンジニアリング株式会社の建築・鋼構造事業部のシステム建築商品「スタンパッケージ(R)」…
ページ上部へ戻る