鉄欠乏による生育不良を抑制・鉄含有量を高めるイネの開発

 JSTさきがけ研究者の小林 高範(石川県立大学 生物資源工学研究所 特任准教授)らは、イネの鉄欠乏応答と鉄蓄積を抑制する新規たんぱく質を発見した。

鉄欠乏による生育不良を抑制・鉄含有量を高めるイネの開発
鉄は全ての動植物にとって生育に必須な元素の1つであるが、世界の耕地面積の約3分の1を占める石灰質アルカリ土壌では、鉄が極めて溶けにくいために、植物は十分な量の鉄を吸収することができず、鉄欠乏となって生育が抑制される問題がある。

今回の研究では、植物の鉄欠乏応答を制御する分子メカニズムの解明により、鉄と結合するイネの新規たんぱく質OsHRZ1、OsHRZ2を発見することで、これらのたんぱく質の量を減らしたイネは、鉄が少ない時でも生育に影響が出にくく、通常のイネに比べて2〜4倍程度の鉄を種子と葉に蓄積した、という。