フィリップス製の植物育成用LED照明による成長促進効果の最大化とチップバーンの抑制を実現(シーシーエス、玉川大学)

LED照明メーカーのシーシーエス株式会社は、玉川大学との共同研究により、ロイヤル フィリップス社の製植物栽培用LED照明を用いて、チップバーンを発生させることなく植物の成長を最大限に促進する栽培方法を完成した。同社は成長促進効果の極めて高いフィリップス社製植物栽培用LED照明とともに、この栽培方法を提案することで、植物工場の生産性の向上に貢献していく。


以下に、シーシーエスによるプレスリリースを掲載する。

2013年9月18日
シーシーエス株式会社
植物栽培方法に関する玉川大学との共同研究に成果

フィリップス社製植物栽培用LED照明による成長促進効果を最大限に実現


LED照明メーカーのシーシーエス株式会(本社:京都市上京区、代表執行役社長 各務嘉郎、以下シーシーエス)は、玉川大学(東京都町田市、学長 小原芳明)との共同研究により、ロイヤル フィリップス社(以下、フィリップス社)製植物栽培用LED照明を用いて、チップバーンを発生させることなく植物の成長を最大限に促進する栽培方法を見出しました。シーシーエスは、成長促進効果の極めて高いフィリップス社製植物栽培用LED照明とともに、この栽培方法を提案することで、植物工場の生産性の向上に貢献してまいります。


成長促進とチップバーン発生のジレンマ
チップバーンとは、植物が成長するために必要な要素の一つであるカルシウムの欠乏により、葉先が焼けたように黒くなる生理障害で、成長促進過多により発生します。チップバーンが発生した場合には、野菜としての商品価値が落ちるため、選別作業が必要になり、廃棄率が上がるなど、生産上の大きな問題となります。多くの植物工場では、光量を上げて成長促進を高めて収穫量を増やすとチップバーンが発生し生産性が上がらない、というジレンマに悩まされており、植物工場の生産性向上のために有効な解決策が望まれておりました。


玉川大学との共同研究の主な成果
シーシーエスはこの問題を解決するために、LED照明を用いた植物工場の研究で長年の実績を持つ玉川大学農学部渡邊博之教授と2012年9月から、チップバーン発生の原因であるカルシウム欠乏を回避する栽培方法についての共同研究を進めてまいりました。


栽培養液中のカルシウムと各種要素との関係性から、カルシウム吸収を促進する養液の処方を検討し、栽培試験を重ねた結果、光環境に合わせた適切な養液の処方を見出しました。また、養液の吸収を促す空気の流れ、すなわち最適な風速の制御方法を導き出すことができました。その結果、成長量を維持したまま、チップバーンを抑制する栽培方法を見出すに至りました。

フィリップス製の植物育成用LED照明による成長促進効果の最大化とチップバーンの抑制を実現(シーシーエス、玉川大学)

<photo:同社ウェブサイトより引用>


フィリップス社製植物栽培用LED照明の特長
フィリップス社製植物栽培用LED照明は、優れた成長促進効果を有しており、特に遠赤色を含むLED照明は、植物工場で多く使われているHf蛍光灯に比べて消費電力量当たり2倍以上の収穫量が得られます。今回、シーシーエスと玉川大学との共同研究の成果により、フィリップス社製植物栽培用LED照明が持つ成長促進効果を最大限に活用することが可能となりました。


シーシーエスは、今後、この技術をフィリップス社製植物栽培用LED照明の販売時に合わせてお客様へ提案してまいります。LED照明の性能を十分に発揮できる栽培方法を提案することで、植物工場の生産性向上に寄与し、当該分野の発展に貢献してまいります。また、玉川大学 渡邊教授とは、今後も継続してLED照明を活用した植物工場の生産性向上のための研究を進めてまいります。併せて、オランダをはじめとして世界中の農業現場での導入実績を持つフィリップス社とも協力しながら、植物工場分野の市場拡大に貢献する活動を続けてまいります。


なお、これらの研究結果の詳細は、2014年の日本生物環境工学会において、発表を予定しております。


玉川大学について
玉川大学は、創立者小原國芳が掲げた「全人教育」を教育理念とし、幼稚部から大学院まで約1万人が広大なキャンパスに集い、幅広い教育・研究活動を展開しています。「全人教育」では、「真・善・美・聖・健・富」の6つの価値を調和的に創造することを教育の理想としています。より専門的な知識と豊かな人間性を備え、日本社会さらには世界へ貢献する気概のある人材を育成していくことを使命としています。高等教育機関として伝統的に人間教育を重視してきた玉川大学は、同時に研究機関として最先端科学技術の発展にも力を入れています。特に、LEDを光源とした野菜生産システムの開発については、付属研究機関である学術研究所生物機能開発研究センターのFuture Sci Tech Labを中心に基礎から応用までの幅広い研究を展開しています


ロイヤルフィリップスについて
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG、AEX:PHI)は、人々の生活の向上を目指して常に革新的であり続け、ヘルスケア、コンシューマーライフスタイル、ライティング分野に置いて健やかで満ち足りた暮らしを提供する企業です。本社はオランダで、2012年の売上は248億ユーロ、世界100カ国以上に約115000人の従業員を擁しています。循環器疾患ケアや急性期疾患の診断治療とホームヘルスケア、省エネ照明ソリューション、新たな照明アプリケーション、および男性用シェーバーやグルーミング、オーラルヘルスケアにおいてリーダーシップを発揮しています。


シーシーエス株式会社について
シーシーエス株式会社は、1993年に京都で工業用途での検査用LED照明メーカーとして創業以来、検査用LED照明の分野ではリーディングカンパニーとして、トップシェアを誇ります。工業用途で培った照明の使い方により検査精度を高める技術、ライティングソリューションを強みに様々な分野へ展開しています。2007年には太陽光に近い光の「自然光LED」を開発、光の質が求められる美術館や博物館などに最適な照明を提供しています。植物育成用LED照明分野では10年以上の研究実績があり、2012年にロイヤル フィリップス社とHortiPartnershipを締結し、国内におけるフィリップス社製植物栽培用LED照明の販売を開始しました