建設業からの農業参入: ベジタブル・ファーム、宝酒造に無農薬サツマイモを販売

ベジタブル・ファーム2006六年に建設業の金子組(宮崎市)から独立し、野菜や完熟きんかん等の農産物を生産・販売を行う企業である。代表の金子亨氏は、宮崎市田野町の建設業者「金子組」の元専務。始めは、弟の毅さんを大手農業生産法人に研修に行かせ二人三脚で野菜作りを始めたという。
 
 
同社では、06年から芋焼酎の原料となるサツマイモの一品種「黄金千貫(こがねせんがん)」を通常の栽培基準で生産・出荷し、07年からは農薬を使わない餌を食べた牛のふんの堆肥を使う独自の無農薬栽培をスタートし、そこに宝酒造が目を付け、本格芋焼酎「綴(つづり)原酒」の原料に、同社のサツマイモが採用された。
 
 
今後は、無農薬栽培による黄金千貫(こがねせんがん)の生産に力を入れ、安全安心のこだわりを追求し販路拡大を目指すという。
 
 
※ 参考記事(読売新聞:宮崎)より

避けられない業者統廃合
畑から抜いたニンジンを見せながら、金子亨さん(34)は顔をほころばせた。
 
「どうです。立派でしょう」
 
宮崎市田野町の建設会社「金子組」の3代目で、農業生産法人「宮崎ベジタブル・ファーム」を設立した。先細りの業界を見越し、昨年2月、新業種への挑戦に打って出た。
 
「農業は建設業と相性がいいですよ。機械整備や土木の技術が生かせる」。金子さんは言う。500万円で、トラクター4台、農薬散布機など、農業に必要な機器を一通りそろえた。すべて中古品。故障した機械もあったが、会社の整備部門で修理した。条件の悪い土地でも借りた。自力で畑に整えられるからだ。
 
現在の耕地は4ヘクタールで、売り上げは約800万円を見込む。来年は10ヘクタールまで拡大する計画だ。「農業は利益率が高い。うまくやれば3、4割になる。建設業はよくて5%。売り上げこそまだ少ないが、先行きは明るい」(金子さん)
 
相次ぐ官製談合事件で、建設業界のなれ合い体質が厳しく糾弾された。改革の流れを止めることはできない。厳しい生存競争が、始まろうとしている。「県内の建設業界は、明らかな過当競争だ。公共事業はピーク時の半分近くに減ったのに、業者数はほとんど減っていない」。県土木部管理課は現状をこう指摘し「業者の統廃合は避けられない。異業種への転身や合併などを進める必要がある」と話す。
 
金子組の例は、異業種進出の先駆の一つだ。介護事業、焼酎製造??。県内でも、様々な分野へ進出する建設業者が現れ始めている。
 
だが、落札率が低下することによる収益減は、簡単には穴埋めできない。県西部の建設会社長は「仮に10%下がると、うちは4億円の赤字が出る」と頭を抱え、「大半の業者は、異業種へ進出する人も資金も無い」と指摘する。
 
業者の統廃合も進んでいない。仕事が順番に回ってくることが多く、合併しても売り上げが増えないのだ。「昔、売り上げが30億円の会社と、50億円の会社が合併した。ところが、売り上げは80億円とならず、50億円のままだった」(建設会社長)
 
2001年から入札制度改革に取り組み、平均落札率が約20%下がった長野県では、許可業者が約1000社、1割減った。改革と対策は、同時並行で進める必要がある。談合という鎮痛剤が消えつつある今、「体質改革」の処方せんが求められている。

 
 
ベジタブルファームHP