3か月先の短期気候予測による穀物の世界的豊凶予測の手法開発<農業環境技術研究所など>

農業環境技術研究所は、収穫の3カ月前にコメと小麦が豊作か不作かを予測する手法を開発した。「不作が予測された国への緊急食糧援助計画を立案するなど、国際的支援に役立てられる」と説明している。以下、同機関によるプレスリリースの一部を掲載しておく。

世界のコムギとコメの不作を収穫3か月前に予測する手法の開発
<季節予測による穀物の世界的豊凶予測>


独立行政法人農業環境技術研究所と独立行政法人海洋研究開発機構は、3か月先の短期気候予測 (季節予測) による穀物の世界的豊凶予測の手法開発を行いました。気温と土壌水分量の季節予測データを用いることで、コムギとコメの豊凶を世界の栽培面積の約2割について、収穫3か月前に予測できることが示されました。


穀物輸出国の不作は国際市場価格に大きく影響するため、この予測技術の精度を向上させ世界の穀物生産の動向を監視するために利用することが期待されます。この研究成果は、全球レベルでの定量的な豊凶予測が可能になったことが評価され、7月21日に Nature Climate Change 誌のオンライン版に掲載されます。


研究の内容・意義
コムギとコメについて、観測された生育後期3か月間の気象条件 (気温と土壌水分量の前年差) と、当該年の収量と前年の収量との比を重回帰分析したところ、世界の栽培面積の30% (コムギ) と33% (コメ) で、気象条件から収量の前年比を精度良く推定できることが分かりました。豊凶予測が可能な地域が、世界全体でどの程度あるのかを定量化できたことは本研究の大きな成果です。


収穫3か月前に短期気候変動予測モデルで予測した生育後期の気温と土壌水分量のデータを、得られた重回帰式に入力したところ、豊凶を予測し得る地域の約半分で、観測された不作 (当該年の収量が前年よりも5%以上低下する場合) を再現できました。

また、前年に比べて豊作 (当該年の収量が前年よりも5%以上増加) になる場合についても、不作と同様に、再現できました。不作が再現できた地域は世界の栽培面積の18% (コムギ) と19% (コメ) に相当しました。例えば、コムギでは、図3 に示すように、米国やオーストラリアの一部で、またコメではタイやウルグアイなどの一部で収量前年比を収穫3か月前に予測できました。

※ 詳細は同機関によるプレスリリースをご参照下さい。