垂直式栽培によるエネルギー効率と生産性向上の実証実験により平面多段式より約2倍の照明効率を達成(アイ・エム・エー)


株式会社アイ・エム・エーでは、農林水産省の「H24緑と水の環境技術革命プロジェクト事業」新技術の確立・実証(技術実証等)に参加し、完全人工光型植物工場における一般的な平面多段式と垂直多段式栽培による収量や照明効率に関する実証実験を行った(左写真:栽培の様子、クリックにて拡大可能)。
以下に、その概要をご報告する。

【実証・実験の目的】・・・ランニングコストの低減

植物工場における農産業発展のためには、植物工場の初期投資コストと生産ランニングコストの低減が重要なファクターです。本実証テストでは、植物工場の生産ランニングコストの低減に取り組むために、垂直式栽培という新たな発想のもと、同じ単位面積あたりの生産株数の増大と、ランニングコストの約35%を占めると言われている電力(光源エネルギー)効率を高める垂直式栽培装置を新規に開発し、実験・実証を行いました。


【実証・実験の総括】・・・市場寄与効果は十分

大切なポイントは従前の平面多段式における収穫株数は効率の良い株間ピッチの追求もほぼ限界に来ており、新たな発想による栽培方式(栽培棚)の開発が植物工場の収益改善と市場拡大の急務であります。

そのような現状の中で、今回の垂直式栽培棚(技術実証等)の結果は、大変有効なシーズを生み出したと考えています。垂直式という発想の具体的なメリットと可能性を示せた事で、植物工場の市場に与えるインパクトと市場拡大や新規参入企業に与える寄与効果は十分にあると考えています。


【設計思想と具体的な成果】・・・168株 vs 324株 ⇒ 1.9倍実績
垂直式栽培装置とは、これまでの平面多段式の水平な定植面を垂直にすることで、単位面積(比較するために設定した同一面積を指す)あたりの定植株数の数量を飛躍的に増やす可能性を追求したもので、当初の設計段階では3割増を目標にしたが、機材開発の段階でピッチ調整をし、従前の平面多段式栽培棚168株に対し、今回の垂直式栽培棚では324株まで伸ばすことができ、実に1.9倍の定植株数(単位面積あたりの収穫株数比較)となりました。

エネルギー効率についても、単純比較ですが従前の平面多段式が蛍光灯1本あたり7株に対して、垂直式では13.5株となり1.93倍≒2倍の照明効率を得て、当初設定した目標を達成いたしました。

報告書(S−29)の詳細は農林水産省 食料産業局 新事業創出課プロジェクト推進2係、もしくは(株)アイ・エム・エーまで直接お問い合わせください。


【今後の展望】・・・アイディアひとつで大きく広がる可能性

今回制作した垂直式栽培棚は、レストランやイベント会場における集客素材としてのポテンシャルも秘めており、収量増やエネルギー効率の追求からの視点だけではなく、広く一般の人たちに視覚から植物工場の面白さ(価値と普及)をアピールし、製品である収穫野菜に対するマインドの醸成が、さらなる市場拡大に寄与する効果も大いに期待できます。

そのことは農業の六次産業化を促進し、植物工場市場に参入を考えている各種ジャンルの企業にとっても大変有効なシーズでありビジネスチャンスだと考え、(株)アイ・エム・エーでは、今回の実証実験機材を広く公開するための講座を準備開講いたしました。


▼垂直式栽培棚を体験できる講座のご案内▼

−植物工場における最新の栽培技術習得から流通・販売および設計までの知識習得と、この度新規開発した垂直式栽培棚も「見て・さわって・体験」していただけます−

クリーンベジタブル検定講座

・第7期「土曜日コース」全8日間、2013年7月6日(土)開講
現在受講生募集中(定員になり次第締め切り)
詳細は弊社HPもしくはお電話でお問い合わせください。

・その他「水曜日コース」「月例3日間集中コース」「個別対応3日間集中コース」など、植物工場の知識や最新の栽培技術について学びたい人のために各種コースを設定しておりますので、お気軽に見学・お問い合わせお待ちしています。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー

過去のピックアップ記事

  1. ローム 完全人工光型植物工場による一季成りイチゴの生産へ
     ロームは2014年9月、福岡県筑後市の子会社の半導体工場内で、LED光源を利用した完全人工光型植物…
  2. 3Dプリンターで造る未来の食べ物「Edible Growth」
     テクノロジーは野菜を生産する植物工場だけではない。オランダのアイントホーフェン工科大学を去年卒業し…
  3. ライアソン大学による都市型・屋上ファームが1周年の収穫祭を開催
     カナダのトロントにあるライアソン大学の屋上ファームでは、1周年の収穫祭と農場ツアーが実施された。同…
  4. 沖縄セルラー電話、植物工場の運営ノウハウとIoTを活用した家庭用水耕栽培キットを来年2月発売
     沖縄セルラー電話株式会社は、株式会社KDDI総合研究所の技術協力を得て、IoTを活用した家庭用の植…
  5. ユーヴィックス、自動追尾型の太陽光集光システムを販売。閉鎖型植物工場への応用も期待
     ユーヴィックスは、太陽の光を自動追尾装置で取り込み、ミラーの組み合わせで陽のあたらない建物内の奥空…
  6. フィリピンの田んぼアート。ドローン・アグロツーリズムによる若者世代への新たなアプローチ
     フィリピンのお米研究所(Philippine Rice Research Institute)の「…
  7. グーグルが農業ビッグデータ解析ベンチャーに18億円の投資
     テクノロジーベンチャーに投資を行っているグーグル・ベンチャーは、農業ビッグデータ解析サービスを提供…
  8. マルワトレーディング、顧客ニーズに合わせた植物工場を提案
     植物工場・水耕栽培の専門店「水耕栽培どっとネット」を運営する株式会社マルワトレーディングでは、水耕…
  9. 中国でも施設規模の拡大と労働者不足により小型農機の需要増
     人民网・天津報道局によると、キュウリの収穫・運送、または収穫後の梱包作業に要する一人当たりの人件費…
  10. 日清紡による植物工場イチゴ「あぽろべりー」の出荷開始
     完全人工光型植物工場にてイチゴを生産する日清紡ホールディングスが、量産栽培に成功し、近日中の出荷を…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 台湾における植物工場の市場概要と現状分析(1)
    1.台湾における植物工場の市場概要と現状分析(1) 台湾では植物工場ブーム?! 国内に60ヶ所以上…
  2. トヨタ、自動車事業で培った生産管理手法を農業に応用。IT管理ツール「豊作計画」を開発
     トヨタ自動車は、米生産農業法人向けの農業IT管理ツール「豊作計画」を開発し、愛知県と石川県の米生産…
  3. 米国の都市型・植物工場NPO「フード・チェイン」がローカル・フードシステム確立のため30万ドルの資金調達を開始
     米国中東部・ケンタッキー州にて植物工場による都市型農業を推進するNPO組織「フード・チェイン」が加…
  4. 米国の藻類企業がGlobal Energy Awardを受賞
     藻を利用した燃料の生産を行うAlgenol Biofuels社が、2014年のPLATTS Glo…
ページ上部へ戻る