物流大手のセンコー、廃校内で植物工場を運営。キノコ、菊などの栽培へ

物流大手のセンコーが鳥取県で取り組んでいる「センコースクールファーム鳥取」(障害者・高齢者が水耕栽培を実施)の開所式が7月2日に行われたので追加情報を掲載。
グランドにはビニールハウス40m×8mを6棟建設、青ネギの水耕栽培、校舎内ではオオゴンタモギタケを栽培現在は障害者8人、高齢者5人が働いており、最終的には各25人、10人を雇用する計画。収穫した作物は中四国、関西のスーパーなどに出荷し、本年度は3千万円、来年度は6千万円の売り上げを目標にしている。

 
 
合併する市町村に財政優遇措置を与えることによって、国が1999年から促進した市町村合併(平成の大合併)により、99年3月末に全国で3232あった市町村は、1760まで減少。少子化に加えて、小学校の統廃合が進む要因にもなり、文部科学省によると、全国の公立小学校は2万1974校で、99年に比べて1970校減少したという。
 
 
こうした背景から廃校になった校舎を、吉本興業のように新社屋に活用したり、若手アーティストのアトリエとして家賃を安く提供したり、野菜を栽培したり、と様々な取り組みが行われている。廃校内での植物工場については「廃校になった木造小学校の教室内で植物工場を運営(佐賀市富士町)」という記事でもご紹介した。
 
 
上記のケース(廃校を植物工場へ)と同様に、物流大手のセンコー(株)は、鳥取県内の廃校になった小学校を野菜工場として活用し、ネギを水耕栽培するとともに、障害者を雇用(10年度末までに障害者と高齢者計35人雇用予定)するために特例子会社を設立して農業事業に参入する計画
 
 
今回は、湯梨浜町で2006年に廃校となった旧羽合西小学校のグランドに、ビニールハウスを6棟設置し、プールにためた雨水を循環させて利用、地元で栽培されていないネギを無農薬で生産するという。
 
 
もちろんグランドだけでなく、校舎内も栽培のために有効活用している。

  • 家庭科室
    温度や湿度が管理しやすい家庭科室を、北海道・東北地方産のタモギ茸(たけ)と呼ばれるキノコの栽培などに利用。キノコ用の菌床を再利用してキクなどの鉢花の生産にも取り組む
  • 理科室
    梱包場やネギの育苗室として活用
  • 視聴覚室
    事務所として活用

 
こうした施設や水耕栽培施設を設置するグラウンドなどを年160万円で湯梨浜町から借り、設備投資額は障害者向けの施設改造費を含めて計5200万円に抑えられる見通しという。収穫はネギで年8回キノコで週1回を計画。収穫後の配送や保管をセンコーグループが担当し、地元スーパーや関西地区の百貨店などで販売する。売上高は当初、年6000万円程度を見込んでいる。
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
昭和電工 植物工場 バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー

過去のピックアップ記事

  1. 水不足のカリフォルニア州にて新たな都市型CSA農業モデルを実践。水耕栽培・アクアポニクスによる新技術導入
     昨年(2015年)の米国・カリフォルニア州における水不足は深刻な状況であった。同州では水不足の状態…
  2. DIC子会社が米国に藻類(スピルリナ)培養プラントを建設、天然由来の青色着色料トップメーカーへ
     印刷インキで世界トップシェアのDIC株式会社(DIC)の子会社である、アースライズニュートリショナ…
  3. カナダ、ドーム型植物工場・イチゴの垂直式栽培の試験稼働へ
     カナダのメトロバンクーバーにて、ドーム型の温室ハウスを建設し、イチゴの多段式栽培をスタートさせた。…
  4. ハイテク自動化が加速するシンガポール農業。植物工場など多段式の新技術にも注目
    国内における葉野菜の生産量11トン以上、自給率13%を占める  シンガポールでも農業のハイテク化が…
  5. spread_plantfactory880
     世界最大規模の完全人工光型植物工場を運営するスプレッドでは、同社の米国現地法人であるNUVEGE,…
  6. 日清紡がイチゴ植物工場の増設へ 関東・東海エリア需要にも対応
     完全人工光型植物工場を運営する日清紡ホールディングスの徳島事務所ではイチゴの生産・事業化を進めてお…
  7. クロレラ培養・加工の八重山殖産が海外輸出拡大、中東市場への参入へ
     微細藻類のクロレラ培養・加工の八重山殖産(沖縄県石垣市)はクロレラの海外輸出を拡大する。このほどイ…
  8. スプレッドがアフリカ地域への植物工場システム導入の可能性を検討
     完全人工光型植物工場を運営する株式会社スプレッドでは、植物工場の導入を希望するコンゴ民主共和国の要…
  9. イノベタスの世界トップ規模のフルLED植物工場の完成披露へ
     株式会社イノベタスは7月10日、2015年3月に完成した「富士ファーム」の完成披露式典を行った。イ…
  10. 野菜価格高騰からスプレッドによるミニ野菜商品の生産拡大
     完全人工光型植物工場を運営するスプレッドでは露地野菜の価格高騰を受け、ミニ植物工場野菜「ベジタスミ…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 和ハーブの女王である「ヨモギ」の機能性と利用方法
     植物工場や農業ビジネスにおける新規参入では販路確保とともに生産品目の選定も重要である。今回は機能性…
  2. 欧州におけるグリーン・カーテン市場、家庭への普及は限定的
     The Royal Horticultural Society(RHS)が主催するイギリス・チェル…
  3. 自然の木をイメージした垂直農場 植物工場や様々なクリーンテクノロジーを導入
    都市部における過剰な人口増加が引き起こす2つの問題は、限られた土地・空間の中での生産性向上をはかりな…
  4. 「生物農薬」で販売される飛ばないテントウムシ、ハウス内にて長期間の防除効果が期待
     農研機構の「近畿中国四国農業研究センター」は、テントウムシの一種・ナミテントウを飛ばないように改良…
ページ上部へ戻る