ロシア極東の沿海地域・アムール州における耕作放棄地にて日本農場を開設(北海道銀行と道内の農業関連企業による日本式のサステナブルな生産方式)

ロシア極東アムール州で、日露両国の農業法人が共同で寒冷地型モデル農場を開設する計画を進めていることが分かった。ソ連崩壊後、ロシア極東地区では経済混乱や人口流出などで大量の耕作放棄地が生まれており、生産性が高い日本の耕作技術を用いて開発するのが狙いだ。関係者によると、計画は北海道銀行が主導し、北海道内の農業法人や農業経営者など約10社が参加する


開設予定地はアムール州の州都ブラゴベシチェンスク近郊。農業分野での協力を加速させることによって、北方領土返還の環境整備のひとつとしたい考えだ。肥沃なアムール川流域は、北海道と気候が似ているうえ周辺地域の食料需要は高い。計画では、借地で寒冷地型モデルの「日本農場」を開設するか、技術コンサルタントの形で、土地改良技術や農薬を極力使わない農法を持ち込み、ロシア農業の生産性と付加価値を高める


日露首脳会談後の5月下旬以降に農業関係者が現地を訪問し、候補に挙げられている数カ所から農地を決定。早ければ、6月下旬にもロシア人労働者らによる作付けを始める。品目はジャガイモや飼料用トウモロコシ、大豆や乳牛が検討されている。農作物は当面、近隣都市に出荷して販売する予定だが、将来的には日本などへの輸出も目指す。


ロシア極東の沿海地方やアムール州では大量の耕作放棄地をめぐり、中国と韓国が大資本を背景に「ランド・ラッシュ」といわれる農地奪取を展開している。特に中国の場合、食料価格が急騰した2008年ごろから、アムール州などで土地を安価で借りるなどして中国人労働者の進出が拡大した


しかし、中国資本が進出した農場では短期間に収穫を上げようと、大量の化学肥料や農薬を使った“収奪型農業”が土壌や河川の汚染を引き起こしており、アムール州やクラスノヤルスク地方などでは今年から中国系移民による農業が禁止された。こうした背景から、ロシア側では日本の参入を望む声が高まっている。(記事:2013年4月4日 産経新聞より)