トラックにて移動可能なバイオマス発電装置を開発。食品残さからメタンガスと不純物を固形化することで肥料としての利用も

小規模分散型エネルギーシステム開発のクリーン・エネルギー・ネットワークと日本大学工学部は、トラックで運搬できるバイオマス発電設備を開発した。食品などの残さが多く出る場所に移設できる利点をPRし、福島県の中小企業と連携して事業化を進める。


開発したのは、食品や農業の残さを粉砕して発酵させ、生じるメタンガスでガスエンジンを動かして発電する装置。全長10メートルのコンテナに粉砕機や加水分解装置、発電装置などを組み込んだ。二分割して10トントラックで運搬できる。残さを1カ月に1500キロ処理し、100立方メートルのメタンガスを生み出せる。ガスエンジンの発電効率は29%程度を想定している


温度や処理速度などの条件に工夫を凝らし、発生ガスに占めるメタンガスの濃度を約70%と「従来の設備より10ポイント高めた」という。ガスを取り出した後の液体はろ過し、不純物を固形化して肥料にする。ろ過後の液体は再利用するので廃棄物をほとんど出さない。福島県が開発費を助成したほか、川内村で今年度から始める実証試験も助成する。