廃棄された自動車パーツの農業利用を本格化。廃油・廃液はボイラーの熱源、ライトを屋内栽培向けの照明や窓ガラスを採光用ガラスに再利用

NPO法人山形県自動車公益センターは新年度、廃棄された自動車パーツの農業利用に向けた取り組みを本格化させる。鶴岡市内でリサイクル資材を用いた屋内栽培の実証実験に着手する計画。農業分野での実用性を示すことで、自動車のリサイクル率向上を図るとともに、植物栽培の工場化による地域振興にもつなげる考えだ。


県内では、各メーカーディーラーで組織する県自動車販売店リサイクルセンターが東根市と鶴岡市の工場で毎月計750〜800台の廃車を処理している。公益センターはリサイクルセンターと連携し安定的に「資源」を確保。それを農業資材として再生させる。既にエアバッグを使ったかばんなどを開発しており、リサイクル製品の幅を広げていく考えだ。


計画では、エンジンオイルなどの廃油・廃液はボイラーの熱源に再利用する。原油価格が高騰する中、「コスト面の負担減につながるはず」と関係者。タイヤは植栽鉢、車載バッテリーは太陽光発電の蓄電池、ラジエーターファンは空調機材に、それぞれ活用する。またアルミ材は溶解しフレーム部材に再成形するほか、屋内栽培向けにライトを照明、窓ガラスを採光用ガラスとして使う予定だ


公益センターによると、長く使われた自動車とはいえ、部品劣化は少ないという。農業を取り巻く環境が厳しい中、「自動車パーツを農業分野に活用できれば、投資コストの軽減を図ることができ、参入を促すきっかけにもなる」と菅原弘紀専務理事。これまで天童市内のビニールハウスや山形市の県自動車会館でテスト的に活用し果実やゴーヤーなどの栽培に取り組んできた。


今回の実証実験は、鶴岡市内にあるリサイクルセンターの工場の一角を活用する。敷地内に設置したプレハブの建物で生花や農作物などを栽培し成果を検証する。山形大農学部に協力を要請。実例を示すことで、リサイクル資材の製品化はもちろん、空き店舗を植物工場として再利用することも検討する。公益センターは「商店街や地域の活性化にも結び付けることができる。将来的に廃校活用も視野に入れていく」と期待を込める。 (参考記事:2013年3月24日 山形新聞より)