地中熱と地下水を融合した新しい空調システムを開発。熱利用効率を高めながら初期投資・工事費用を削減。温室ハウスの冷暖房への利用を想定

金型製造の日プレ株式会社は地中熱を活用した低コストの空調システムを開発した。地下に埋める送風用パイプの表面に水を通す細い管を付けることで、土と地下水の両方の熱を効率よく利用し、外気を冷やしたり暖めたりする。従来システムに比べ、初期費用を約半分に抑えた。農業施設など大型の施設に売り込み、2013年度に売上高3億円を目指す。同社は自動車向けなどの金型製造を手掛け、12年3月期の売上高は約7億円となっている。


開発した空調システムはプラスチック加工のダイカポリマー株式会社が製造するパイプを地下に横向きに埋め、内部に外気を通す仕組みとなっている。パイプは標準タイプで内径800ミリメートル、長さ30メートル。パイプ表面にらせん状の細い管を作って地下水を流すのが特長である。


地中熱の利用で主流のヒートポンプ型では、地下5メートル程度より深い地中にパイプを埋めるのが一般的。年間を通じて温度がセ氏15度程度でほぼ一定するためだ。一方、新システムは地下3メートルに埋設する。地上からの影響で約3度の季節変動があるが、地下水も活用して従来と同程度の熱利用効率を確保した埋設深度を浅くすることで、工事費用を抑えられる。また、パイプ内部の構造を工夫し、毎分130立方メートル程度の大量の空気で効率よく熱交換できるようにした。地下水の温度が16度の場合、35度の外気は28度まで下がり、0度の外気なら5度に暖められるという


新システムは農業施設や公共施設などに売り込む計画。ビニールハウスで暖房に使う化石燃料を減らしたり、畜産施設で夏の高温対策に活用したりできる、と想定している。工事費を除いた設備の価格は約300万円の見込み。工事費を含む初期費用はヒートポンプ型に比べ半分に抑えた。ランニングコストは化石燃料を使う空調に比べ、約3割削減できる。13年度に3億円、14年度に10億円の売上高を目指す。(参考:2012年12月20日、日経産業新聞より)