愛知県農業総合試験場がタキイ種苗とトマト黄化葉巻病耐病性新品種を開発。病気の被害軽減・トマトの安定生産へ

愛知県農業総合試験場は「桃太郎トマト」を開発したタキイ種苗株式会社と共同で、トマト黄化葉巻病に耐病性を示す新品種「アイタキ1号」を開発し、2012年12月21日付けで、種苗法に基づく品種登録出願を行った。新品種は「桃太郎」の血を引いて味が良く、葉かび病などトマトの主要病害抵抗性とともに、収量の激減をもたらすトマト黄化葉巻病に強い品種となっている。



本病の被害が大きい地域で、本品種を栽培することで、トマトの安定生産・安定供給が期待できる。同病の被害額は愛知県内だけで年14億円にのぼるとの試算もある。愛知県のトマトの産出額は147億円(2011年度)と全国でも有数の規模を誇る。県農林水産部は「引き続き新品種の開発を進める」と話す。以下、県のプレスリリースの一部を掲載しておく。

新品種の特徴
(1)トマトの果実は、食味や揃いが良く、大きさは180〜200g程度です。
(2)愛知県で広がっているイスラエルマイルド系統の病害ウイルスによるトマト黄化葉巻病に耐病性を示します。
(3)トマトの主要病害に抵抗性を示します。
(4)愛知県で多く栽培されている「ハウス桃太郎」より3〜5日程度早く収穫でき、同等の収量が得られます。 


普及計画
(1)タキイ種苗株式会社が平成25年から種子を販売する予定です。
(2)トマト黄化葉巻病被害が大きい抑制及び促成作型を中心に県内で23haの普及を見込んでいます。
(3)平成25年7月から栽培が始まり、11月頃から果実が市場に出荷される見込みです。


関連説明
(1)愛知県のトマトは、作付面積530ha、生産数量46,200t、産出額147億円(全国第3位)で、愛知県内のほぼ全域でトマトが栽培されています。

(2)本県のトマト栽培では、さまざまな作型を組み合わせ、11月から翌年6月まで出荷されます。主要な作型は、タバココナジラミが多い7月頃に播種し、9月に定植、11月から翌年6月まで出荷されています。

(3)トマト黄化葉巻病は、体長0.8mm程度の害虫タバココナジラミが媒介するウイルス病で、本病に感染すると成長点が黄化して萎縮し、収量が激減するトマトの重要病害です。本病を引き起こすウイルスであるTYLCV(Tomato yellow leaf curl virus)には、イスラエル系統とイスラエルマイルド系統の2系統があり、愛知県では、イスラエルマイルド系統が蔓延しています。山間地域を除き、毎年、トマト黄化葉巻病の被害が発生しています。

(4)本品種が抵抗性を持つトマトの主要病害は、トマト葉かび病(Cf9)、萎凋病レース1、萎凋病レース2、根腐萎凋病、タバコモザイクウイルス等です。

※ 詳細は愛知県のウェブサイト@プレスリリースをご参照下さい。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場設備販売(人工光型)_バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. 阪神野菜栽培所の植物工場、新たにケールのベビーリーフ商品を販売
     阪神電気鉄道株式会社では、鉄道高架下(尼崎センタープール前駅)の「阪神野菜栽培所」の植物工場にて、…
  2. ユーヴィックス、自動追尾型の太陽光集光システムを販売。閉鎖型植物工場への応用も期待
     ユーヴィックスは、太陽の光を自動追尾装置で取り込み、ミラーの組み合わせで陽のあたらない建物内の奥空…
  3. ノルウェーにおける野菜価格と周年生産・地産地消を実現する植物工場ビジネスの可能性
    三菱化学と現地レストランが植物工場による実証生産を開始  弊社では、冬の気候が厳しく野菜の周年生産…
  4. 水不足のカリフォルニア州にて新たな都市型CSA農業モデルを実践。水耕栽培・アクアポニクスによる新技術導入
     昨年(2015年)の米国・カリフォルニア州における水不足は深刻な状況であった。同州では水不足の状態…
  5. イノベタスの世界トップ規模のフルLED植物工場の完成披露へ
     株式会社イノベタスは7月10日、2015年3月に完成した「富士ファーム」の完成披露式典を行った。イ…
  6. LA DITTA、人工光型植物工場のASEAN輸出に向けシンガポール18店舗でテスト販売
     株式会社LA DITTA(ラ・ディッタ)は、シンガポール現地の流通会社EASTERN GREEN …
  7. 水の上に浮かぶオランダのハイテク都市型農業。植物工場と畜産による野菜やミルク加工品などを生産
     オランダのロッテルダムでは都市部での食料生産に関する最新プロジェクトが動き出している。水の上に農場…
  8. ライアソン大学による都市型・屋上ファームが1周年の収穫祭を開催
     カナダのトロントにあるライアソン大学の屋上ファームでは、1周年の収穫祭と農場ツアーが実施された。同…
  9. 世界の種苗各社 新品種の利用交渉を迅速化する共有プラットフォームを設立
     品種改良によって生まれた新品種を、どのように扱うかという議論は、ここ数年、特にヨーロッパで盛んにな…
  10. 野菜の機能性に関する測定方法(機能性表示食品制度にも応用)
     機能性表示食品制度による商品の販売が6月16日より開始されました。当初は飲料や加工食品、サプリメン…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 米国ユタ州でも植物工場ベンチャーが設立。地産地消ブームを背景に、コンテナ型設備の販売を目指す
     米国ユタ州のパークシティでも、植物工場ベンチャーが立ち上がった。以前まで人工光を利用した室内水耕栽…
  2. インロコ、植物工場による栽培・運営ノウハウを軸に設備販売を本格化
     人工光型植物工場による野菜の生産・販売を行うインターナショナリー・ローカルは、4月から植物工場の施…
  3. デアゴスティーニによる家庭用LED植物工場の第2弾。野菜・ハーブの水耕栽培キットを販売開始
     株式会社デアゴスティーニ・ジャパンは、LED光源を採用した家庭用・小型植物工場を簡単に楽しめる「L…
  4. エスジーグリーンハウス、植物工場による低カリウムレタスの生産へ
     2007年より太陽光利用型植物工場にてリーフレタスの生産・販売を行っているエスジーグリーンハウス(…
ページ上部へ戻る