植物工場の開発・販売を手掛けるみらい社が本年度中に中国にて現地法人を設立。国内で実績のある完全人工光型だけでなく安価な太陽光利用型も開発

植物工場の開発、販売を手掛けるみらいは年内に中国に現地法人を設立する。同社が強みとする人工光型の植物工場を売り込むほか、新たに太陽光を使った安価な植物工場を開発。大手商社と組んで中国での販売を強化する。2014年までに中国事業の年商を10億円に拡大することを目指す。
 
 
現地法人の社名は「みらいチャイナ」。全額出資で設立する予定で、本社所在地は北京市を予定。現地で3〜4人程度を雇用し、中国の顧客の問い合わせに対応する。植物工場のメンテナンスや栽培についての相談などに応じる体制を作る。中国市場の開拓に合わせて、このほど人工培養土を使った太陽光型植物工場を開発した。既存のビニールハウスを活用したり余分な設備を省いたりすることで、初期投資を従来の5分の1以下に抑えたのが特徴だ
 
 
中国での販売価格は1平方メートルあたり約3000円。設備の販売代金とノウハウの提供料がみらいの収入となる。苗を植えるタイミングや肥料の設計など、独自の栽培ノウハウで生産量を安定させた。10万平方メートルの植物工場の場合、年間20万〜25万トンの収穫量が見込める。すでに江蘇省と山東省で現地の農業生産法人の栽培施設2カ所でミニトマトの栽培を始めた。現地のホテルや高級スーパーなどに販売する計画。
 
 
葉もの野菜の栽培に適した人工光型の植物工場も販売する。1平方メートルあたりの販売価格は20万〜25万円程度と高価だが、露地栽培に比べ、使う水の量が50分の1〜100分の1で済む。水不足で悩む内陸部などでの需要を見込む。国内では主にレタスなどを生産するが「空心菜など中国野菜にも応用できる」という。
 
 
中国では土地が肥沃といわれる沿岸部で都市開発が進み、内陸部の農地では農薬使用などで土壌が弱っている。既存の農地では今後6〜7年で野菜の収穫量が下がるとの見通しもあり、土壌の質を問わない野菜生産に注目が集まっている。
 
 
不動産業や建築業を中心に「新規事業や余剰資金の投資先として植物工場を検討する企業からの引き合いも増えている」(嶋村社長)。大手商社などと組んで需要を開拓し、3年以内に延べ30万平方メートル規模まで提供を広げる目標だ。みらいは04年に設立。千葉大学に研究開発拠点を持ち、宮城県など国内10カ所のほか、南極の昭和基地に植物工場を提供する。12年3月期の売上高は約3億円だった。(参考:日本経済新聞)
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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