ゼニゴケから高血圧予防などの効果がある医薬品原料プロスタグランジンの生産へ・植物工場による低コスト・量産化を検討(石川県立大学)

石川県立大の大山莞爾・客員教授らの共同研究グループは4月9日までに、コケの一種「ゼニゴケ」から高血圧予防などの効果がある医薬品原料を量産できることを確認した。従来の生産方法に比べ低コストな上、二酸化炭素吸収にもつながり、アクトリー(白山市)が事業化を検討している。


この医薬品原料は「プロスタグランジン」。本来は動物の体内で微量につくられる物質で、現在は化学的に合成されたものが動脈硬化や血栓などの予防、治療薬、分娩(ぶんべん)促進剤や目薬などに配合されている。

植物からプロスタグランジンを生産したのは大山客員教授らが世界で初めて。ゼニゴケにプロスタグランジンの元となるエイコサペンタエン酸(EPA)などの脂肪酸が含まれていることに着目した大山客員教授が、違う植物の遺伝子を脂肪酸に導入することでプロスタグランジンを生産する「スーパーゼニゴケ」を作り出すことに成功した


総合園芸(金沢市)が栽培法を開発し、北陸電力が装置などを構築した「植物工場」では計200平方メートルから年間2.1トンのスーパーゼニゴケを収穫できる見込みで、原価は現在より大幅に安く抑えられるという。共同研究ではアクトリーが成分抽出装置を製作し、小太郎漢方製薬(大阪市)が精製、試作品を製造した。


ゼニゴケは二酸化炭素吸収率が高いことから「環境産業」としても期待され、研究は農水省所管の支援事業に選ばれていた。大山客員教授は「産学官連携で地域貢献につながる仕事ができた」と語り、アクトリーの水越裕治社長は「医薬品認可や大量生産体制の確立など課題もあるが、石川発の製薬事業に乗り出したい」と意欲を示した。<北國・富山新聞より>

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