みらいと日本GE「みやぎ復興パーク」内の植物工場にて、環境制御の最適化・LED照明の実証実験を開始

 大規模な植物工場を運営する、株式会社みらいと、日本GE株式会社は、宮城県多賀城市の「みやぎ復興パーク」内に新設する人工光型植物工場において、環境制御の最適化とLED照明を利用した実証実験を開始する。

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実証実験は、みらいが主体となり日本GEとの協働を通じて実施されるもので、経済産業省 東北経済産業局による東北地方の復興等を目的とした「IT融合による新産業創出のための研究開発事業」として本年3月1日に採択され、また宮城県の補助事業としても3月29日に採択されました。

実験は、以下2つの主要テーマに沿って行われる予定です。


1. IT技術を活用した人工光型植物工場内の環境制御の最適化
みらいが長年積み重ねてきた栽培に関するノウハウをベースに、独自開発したソフトウェアと、GE製のセンサや解析システムを中心に、植物工場内における最適な環境制御の実現を目指します。


2. 植物育成用LED照明の開発&最適な照明設計
高効率(エネルギー効率・栽培効率)実現による経済性の確保(短期間内での投資回収)に向けた、植物育成用LED照明の開発、及び最適な照明設計を行う。

これまで課題とされている経済性確保の実現に向け、GEの照明事業部門が新たな植物育成用LED照明の開発を担います。

また、両社協働で波長の最適化、及び植物栽培の全工程におけるLED照明活用を踏まえた最適な照明設計に取り組みます。なお、植物工場において異なるCO2濃度で栽培された野菜の栄養などの成分分析については、千葉大学大学院園芸学研究科の丸尾達准教授にサポートをいただきます。


今後、みらいは本実証実験を通して、野菜の生産性や事業性を実証・評価し、東北地方の復興を支援する事業モデルの確立を目指すとともに、地元農業関係者やスーパーとの連携を広く模索し、宮城県多賀城市とも協調して、2013年中には大規模事業フェーズへの移行も予定しています。

将来的には、IT技術を用いた双方向制御システムにより遠隔操作で植物栽培を行い、収穫時の歩留り率90%という、これまでにない高い生産性を実現する植物工場の事業モデルの確立を目指します」と述べています。


GEは、欧州の大規模農業インフラ整備においてガスエンジンを用いたトリジェネレーション(電気、排熱、植物の光合成を促進させる二酸化炭素を供給するシステム)の実績もあり、今後、日本の先端農業分野で幅広いパートナーシップの構築や技術の活用を模索していきたいと考えています」と述べています。