丸紅が販売する生菌剤を利用したコーヒーかすの飼料化技術を開発(名和産業、帯広畜産大)/国内でもコーヒーの残渣は年間約10万トン発生

以前、コーヒーかすを利用したキノコ栽培に取り組むカリフォルニアのベンチャー企業「BTTR Ventures」をご紹介したが、関連するニュースとして、丸紅、名和産業、帯広畜産大学(高橋潤一研究室)の三者が、産学共同でコーヒーかすの飼料化に成功した。以下、プレスリリースを掲載しておく。

丸紅、名和産業などと共同でコーヒーかすの飼料化技術を開発/平成24年3月12日

丸紅、名和産業、帯広畜産大学 高橋潤一研究室(以下「帯畜大」)の三者は今般、産学共同でコーヒーかすの飼料化に成功しました。今回開発した技術は、丸紅が独占販売権を持つ生菌剤を用いて名和産業がコーヒーかすへの応用を検討し、帯畜大にて実証実験を行ったものです。この技術を用いることで、コーヒーかすのリサイクル飼料としての利用が可能となります。


現在、焙煎されたコーヒーの残渣(コーヒーかす)は全国で年間10万トン程度発生していると言われています。しかし嗜好性と消化率が極めて低く、数ある食品残渣の中でも飼料としての再利用が非常に困難であり、その殆どが堆肥処理されています。


コーヒーかすの特徴は「高水分」と「家畜が嫌がる風味」です。高水分の飼料は腐敗が早く保存がききません。その為、コーヒーかすをはじめ食品残渣を飼料化するためには、脱水もしくは乾燥処理で水分調整をする必要があります。また、コーヒーかすの中にはカフェインも含まれており、カフェインは家畜にとって嗜好性が悪いとされています。


今回開発した技術では、高水分でも保存性が高く、家畜が嫌う風味を除去し、コーヒーかす繊維質の消化率を飛躍的に向上させ、飼料としての栄養価が増加することが確認出来ました。更に残渣中のカフェインの含有量も約55%まで削減出来たことで、リサイクル飼料としての利用が可能となりました。また、羊に対する飼養試験では、タンパク質の利用効率の増加の可能性も出てきています。


名和産業は今回の技術開発に関し応用特許を申請しました。今後は三者で更に連携を深め、飲料メーカーからのコーヒーかす引き取りを推進し、リサイクル飼料を全国の畜産農家に販売していくことで、食品残渣の有効活用と日本の飼料自給率向上に寄与していく考えです。


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植物工場・農業ビジネス編集部

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