業務用食品卸のニッカネ・栃木野菜、飲食店などへの直送に参入/一括調達可能な市場ルートと個別農家からの直送ルート確保・新たな取引先を開拓

 業務用食品卸のニッカネ(宇都宮市、金田秀寿社長)は栃木県内の若手農家らでつくる農業組織「農援団」(亀田泰志団長)と連携し、地場産の野菜を飲食店などに直送するサービスを始めた。農家との直接契約で必要な配送や発注の手間を省き、生産者の顔が見える新鮮な食材を少量でも確保できる。一括調達ができる市場ルートと個別農家からの直送ルートの双方の利点を取り入れ、新たな取引先を開拓する。


農援団は栃木県内で農産物の販路開拓に取り組む農業組織。農家を中心に約50人で結成、高齢化や後継者不足などに悩む農家の構造問題を変革しようと昨年組織された。


サービスは農援団メンバーが県内各地で栽培したトマトやアスパラガスなどのこだわり野菜数十種をニッカネが集め、自社物流網を活用して取引先店舗まで低温管理で配送する。野菜の収穫当日か翌日には手元に届く。少量で多くの品種が必要な飲食店や野菜販売店などの利用を想定する。


取引先には農業者自身も訪問。天候などで変わるその時々の農産物の出来や栽培時のこだわり、メニューに合う野菜の新品種といった情報も提供する。要望に応じて手に入りにくい香草なども手掛ける。発注は電話・ファクスやインターネット経由の「ニッカネオンライン」で受け付ける。


一方、農家と消費者が直接契約する場合、農家1軒だけでは消費者が必要とする野菜がすべてそろわないケースが多い。複数の農家と契約する場合には、発注・精算や宅配の手続きがそれぞれ必要で、手間がかかる。このためニッカネと農援団は双方の課題を補う流通ルートを新たに構築し、個人経営店などが品質のよい野菜を確保しやすいようにする。


まずは、東北自動車道佐野サービスエリアの農産物直売コーナーや宇都宮市中心部の居酒屋、日光市のレストランでの利用が始まった。新たなサービスに歩調を合わせ、小回りよく配送する軽トラックの「軽美隊(けいびたい)」も導入。専任女性ドライバー2人を採用し、2月中旬から配送を始めた。得意とする工場・事業所や病院・介護施設向けに加え、少量多品種や高付加価値を求める中小飲食店などの声も取り込む。


農援団との連携は生産農家の販路開拓を支援する県の「マルシェ栃木」がきっかけ。ニッカネも東日本大震災の影響はあったが、昨秋には仙台市の営業拠点を移転・拡充し事業拡大に動く。2011年9月期の売上高は約67億円だが、今期は70億円超を目指す。(参考:日本経済新聞より)

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植物工場・農業ビジネス編集部

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